ランボルギーニ ウラカンのニューバージョンとして2020年秋に発表された「STO」の試乗会は、そのパフォーマンスを存分に試せるように(?)富士スピードウェイで開催された。640馬力のハイパワーを堪能した佐藤久実レポーターのインプレッションをお届けしよう。

専用開発されたタイヤにも驚かされた

画像: ウラカン EVOやスーパートロフェオと同じ、640hpと565Nmを発生する自然吸気の5.2L V10 DOHCを7速DCTと組み合わせて後輪のみを駆動する。

ウラカン EVOやスーパートロフェオと同じ、640hpと565Nmを発生する自然吸気の5.2L V10 DOHCを7速DCTと組み合わせて後輪のみを駆動する。

先導ドライバーはかつてフランスF3などで活躍していた福田良さん。インターバルにちょっと話をしたら、「首が辛くなってきた」と。午前中からずっと先導走行をしているとのことで、鍛えたレーシングドライバーでさえ、カラダに負担を感じるほどの旋回スピードなのだ。そして、ウラカンSTOはすべて試乗に使用されるため、先導車はウラカンEVOだった。途中でペースを聞かれ、「もうちょっと上げてくれても大丈夫だよ」と応えたが、ウラカンEVOではけっこう頑張って走っていたらしい。あらためて、ウラカンSTOのパフォーマンスの高さが実感できた。

ところで、ウラカンSTOには「ブリヂストンスポーツ」というタイヤが装着される。ブリヂストンのスポーツタイヤといえばポテンザのイメージが強く、あまり聞きなれないモデル名。聞けばポテンザS001の後継となる欧州向けブランドとのこと。そして今回のタイヤはウラカンのために専用開発されたものだ。640馬力という強烈なパワーを受け止めるのはもちろんのこと、凄まじいダウンフォースに押し潰されないタイヤを作るのも大変だ。溝の左右で傾斜を変えて倒れ込みを抑えたり、細いサイプでウエット性能を上げるなど、さまざまな技術が投入されている。

元F1ドライバーの高木虎之介さんが、最後のホットラップから降りてきたとき、「朝イチで乗ったときよりタイヤのグリップが上がっている」とコメントしていた。摩耗によってブロック剛性が上がるのは理解できるが、すべてが全開走行ではないといえ、約70ラップしてもまったくタレず、耐摩耗性にも優れ、グリップアップするというのは驚きだった。

レーシングカー譲りのハイパフォーマンスをこんなに安心に楽しめるなんて!、と試乗の興奮冷めやらぬ状態で、サーキットに轟くV10サウンドを聴き、さらにテンションが上がる一方、電動化が進めばこんなエンジンサウンドが聴けるチャンスもそうそうないかも、とちょっと寂しい気分にもなってしまった。(文:佐藤久実/写真:アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン)

画像: リアウイングなどのエアロデバイスの採用で、全体的な空力効率は37%向上し、ウラカン ペルフォルマンテに比べてダウンフォースは53%もアップ。

リアウイングなどのエアロデバイスの採用で、全体的な空力効率は37%向上し、ウラカン ペルフォルマンテに比べてダウンフォースは53%もアップ。

■ランボルギーニ ウラカン STO 主要諸元

●全長×全幅×全高:4549×1945×1220mm
●ホイールベース:2620mm
●乾燥重量:1339kg
●エンジン種類:90度V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:470kW<640hp>/8000rpm
●最大トルク:565Nm<57.6kgm>/6500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/30R20、後305/30R20
●車両価格(税別):3750万円

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