2021年7月19日、実に9年と8カ月ぶりにトヨタ アクアがフルモデルチェンジを果たした。伝説の「初期受注12万台」を記録した初代デビューはあまりにも偉大だったが、新型の立ち上がりは果たしてどうだったのか。ほぼ10年間の販売台数の変遷を見ていくと、激変していくトヨタコンパクトモデルの勢力図にあって、アクアが愛され続ける理由が見えてきた。

2021年──初めてのフルモデルチェンジ。追い風は吹いたのか・・・

画像: デザインコンセプトは「Hermo-tech」(知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進)。「さらに次の10年を見据えたプレミアムコンパクト」の理想を目指したという。

デザインコンセプトは「Hermo-tech」(知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進)。「さらに次の10年を見据えたプレミアムコンパクト」の理想を目指したという。

ついにフルモデルチェンジを迎えた2021年7月、月半ばを過ぎたタイミングでの発表だったにも関わらずアクアは、対前年比217%となる7902台という販売を達成した。ランキングは第5位に返り咲いている。8月は247.6%、9月196.2%、10月も188.1%という伸びを見れば、進化の甲斐があったと言うべきだろう。

一方でヤリスの販売台数増の勢いは、8月まで衰えることはなかった。9月、10月に関しては対前年比で50数%に急減しているが、これはおそらく世界的な半導体不足を背景とした戦略的生産調整によるものだと考えられる。

公表されている「ヤリス」の販売台数は常に1万台を超えており、ランキング首位の座はほぼ譲っていない。ただしこの台数はクロスも含めた数字であり、実質的なランキングではアクアが首位に立った月もあっただろうと推測できる。

ヤリスに比べるとアクアが生産調整の影響をあまり受けていないように感じられるが、これはグローバルモデルと国内専用モデルの「立場の違い」が影響しているのかもしれない。(初代はPrius Cという車名で北米に輸出されていたが、新型はまだラインナップされていないようだ)

画像: バイポーラ型ニッケル水素電池の断面図。現行型のニッケル水素電池に比べバッテリー出力が約2倍に向上している。

バイポーラ型ニッケル水素電池の断面図。現行型のニッケル水素電池に比べバッテリー出力が約2倍に向上している。

そんな新型アクアだが、ほとんどのメカニカルコンポーネンツはヤリスと共通化されている。1.5Lエンジンは直列3気筒ユニットとなり、THS-IIも進化、4WDモデルが新たに設定された。

パワー/スペックも基本的に同じだが、バッテリーにはバイポーラ型ニッケル水素電池が採用されている。ヤリスが搭載するリチウムイオン電池とほぼ同じ体積で、25%もの容量アップを可能にした最先端のテクノロジーだ。

画像: ソフトな合成皮革とファブリックを組み合わせることで、素材面でも上質な風合いを演出している。10.5インチの大型ディスプレイオーディオは、トヨタコンパクトカーとして初採用された。

ソフトな合成皮革とファブリックを組み合わせることで、素材面でも上質な風合いを演出している。10.5インチの大型ディスプレイオーディオは、トヨタコンパクトカーとして初採用された。

一方でクルマとして上級シフトしていることは、内外装の設えからもはっきりわかる。アクアがターゲットとする層は、クラウンユーザーなども含めたダウンサイザーだ。そのためにディメンションそのものは初代とほとんど変わらないにも関わらず、豊かなRを描くボディパネルと伸びやかさに富んだシルエットによって、欧州コンパクトに近いクオリティ感を巧みに演出している。

インテリアデザインもシンプル&クリーン、かつ上質感を追求した「大人の空間」に進化した。内外装ともに、よりスポーティで若々しいヤリスとの個性の違いは明確だが、価格帯は意外に拮抗しているのが興味深い。

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