2021年7月19日、実に9年と8カ月ぶりにトヨタ アクアがフルモデルチェンジを果たした。伝説の「初期受注12万台」を記録した初代デビューはあまりにも偉大だったが、新型の立ち上がりは果たしてどうだったのか。ほぼ10年間の販売台数の変遷を見ていくと、激変していくトヨタコンパクトモデルの勢力図にあって、アクアが愛され続ける理由が見えてきた。
まとめ──トヨタハイブリッドコンパクトの、新たな黄金期をもたらす3台
新型アクアとヤリスについて、販売現場ではあまり競合していない、という声も聴く。走りの印象も、アクアは比較的快適性に重きを置いた味付けで、ヤリスはよりキビキビとしたダイナミック性能を追求しているという。ある意味、棲み分けが明確化されていると言えるだろう。
もう1台、注目株のヤリスクロスも、新型アクアとは異なる個性が与えられている。全高はもちろんだが、全長で130mm、全幅で70mmほど大きい。価格帯も20~30万円ほど高めとなっている。
■気になる主要諸元比較
新世代のプラットフォーム、パワートレーンを共有するこれら3台は、アクアが第二世代に進化したことで、ポジションの違いがよりはっきりしてきた。その「棲み分け」を強みとしておそらくは今後も、トヨタのコンパクトモデルたちのどれか(あるいはすべて)が常に、販売台数ランキングの上位を占めることになるのだろう。
ほとんど10年という時間を経てフルモデルチェンジを果たしたアクアは、きっちり2世代分の進化を遂げて販売面でも好調なスタートを切った。これからは再び、トヨタ×ハイブリッド×コンパクト「最強トライアングル」の中核を担うことになりそうだ。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久/写真:永元秀和、井上雅行)