2020年はグループ全体で前年比3倍以上のBEVを販売
フォルクスワーゲンはグループ全体での企業活動から生じる温室効果ガスの排出量を、欧州において2030年までに40%削減することを計画している。そのために2021年7月には、「NEW AUTO」と名付けた新戦略を発表、技術的な中核を電動化に置いていることを明言した。
それ以前からプロダクツに関しては、BEV(バッテリーEV)を中心とした電動化への明確なシフトを見せている。フォルクスワーゲンブランドだけでも、2019年にお披露目されたID.3を皮切りにID.4、ID.6(中国市場向け)と立て続けにBEV専用モデルを市販化。2022年早々にはさらにID.5、その先にID.7が控えているとの噂だ。
グループ内の他のブランドでも、展開は素早い。アウディ e-トロンシリーズ、ポルシェ タイカンなどはすでに一定の市民権を得はじめている。2021年1月に公表されたデータによれば、2020年はグループ全体で2019年の3倍以上となる23万1600台の電気自動車(EV)をユーザーに納車し、西ヨーロッパ市場においては総販売台数に占める 電動化モデルの割合が10.5%(2019年:1.9%)と、大幅に上昇したという。
【参考】フォルクスワーゲン グループによる電気自動車の販売トップ5
1位:フォルクスワーゲン「ID.3(アイディ.3)」5万6500台
2位:アウディ「e-tron(e-トロン)」 4万7300台
3位:フォルクスワーゲン「e-Golf(e-ゴルフ)」4万1300台
4位:フォルクスワーゲン「e-up!(e-アップ!)」2万2200台
5位:ポルシェ「Taycan(タイカン)」 2万台
※2021年1月14日発表「フォルクスワーゲン グループ、2020年に市場におけるポジションを強化し、電動化攻勢を全力で推進」リリースより
ちなみに2021年から2025年にかけて、フォルクスワーゲンの次世代技術に対する投資は総投資の約50%を占める。金額は730億円、日本円にして9兆円を超える巨額の資金が電動化とデジタル化に注ぎ込まれているのだ。