2022年1月13日、トヨタ ノア/ヴォクシーがフルモデルチェンジ。それに先立つ1月7日に、ライバルであるホンダ ステップワゴンも内外装デザインを公開した(正式発売は2022年春の予定)。そこで、現在わかっているステップワゴンの情報とノア/ヴォクシーを、いくつかの面から比較してみたい。

エクステリア:シルエットはほぼ共通。スタイルは、お好みで

画像: ステップワゴン。写真左が標準系の「エアー」、右がカスタム系の「スパーダ」。

ステップワゴン。写真左が標準系の「エアー」、右がカスタム系の「スパーダ」。

いずれもミドルクラスのミニバンだから、サイズは5ナンバー枠のほぼいっぱい(全長4700×全幅1700mm)か、わずかに上まわるサイズとなる。実際、ノア/ヴォクシーの外寸はすでに公開されており全長4695×全幅1730×全高1895mm、ホイールベースは2850mm。一方のステップワゴンは発表されていないが、従来型の標準系が全長4690×全幅1695×全高1855mmだったから、サイズはほぼ変わらないと思われる。

ステップワゴンはAピラーの付け根を従来型より70mm後退させることにより、フロントウインドーを立ててノーズを形成した。そのため、シルエットは両車とも似ている。写真で見る限りは、ステップワゴンのほうがボクシー感が強いようだ。いずれもスペース効率を重視したスタイリングだろう。

画像: ノアの標準モデル「X」系グレード。エアロモデルである「S」系グレードのグリルはメッキとなる。

ノアの標準モデル「X」系グレード。エアロモデルである「S」系グレードのグリルはメッキとなる。

だが、最大の違いはフロントまわりの意匠だ。ノアは標準系でも外板と同色であしらった面を強調したフロントグリルを特徴とする。エアロモデルの「S」グレードではメッキグリルとして、さらに押し出し感を演出。エアロパーツが、さらにアグレッシブさを表現している。そしてヴォクシーでは、薄型のアッパー部と分厚くスクエアなロア部を組み合わせ、独創的なスタイルとなった。

一方のステップワゴンは「エアー」と「スパーダ」の2ラインとなる。標準系のエアーでは初代や2代目をインスパイアしたシンプルなフロントフェースとなった。カスタム系のスパーダではグリルまわりにメッキパーツを用いてエアロパーツも装着し、力強さを加味している。それでも、ノアの標準モデルよりおとなしい顔つきだ。

画像: 独創的な顔つきのヴォクシー。バンパー下部両端にはフォグランプも内蔵される。

独創的な顔つきのヴォクシー。バンパー下部両端にはフォグランプも内蔵される。

「デザインに良い悪いはない。好きか、嫌いかだけだ」とはよく言われるが、ノア/ヴォクシーとステップワゴンには、まさにこの言葉が当てはまる。クルマは手に入れれば、(たいていは)ある程度の期間を乗り続ける。それならば、自分の気に入ったデザインを選ぶのがベターだろう。

インテリアとパッケージング:両車の考え方の違いが見える

画像: Aピラーを細くして運転視界を向上させたノアのインパネ。ヴォクシーも基本的に同じ。

Aピラーを細くして運転視界を向上させたノアのインパネ。ヴォクシーも基本的に同じ。

ファミリーユースとなることの多いミニバンは、複数のドライバーによって運転されることが多い。だからドライバーの体格にかかわらず良好な視界を確保し、運転しやすいことが求められる。実際に運転したわけではないが、両モデルの運転席に座るとステップワゴンもノア/ヴォクシーも、このあたりを考慮して運転席まわりの視界は良い。インターフェースを含めた操作系はいずれも使いやすさに大きな違いはなさそうだ。メーターの視認性も高い。

画像: 従来型よりAピラーを後退させて視界を向上させたステップワゴンのインパネ。

従来型よりAピラーを後退させて視界を向上させたステップワゴンのインパネ。

2列目をキャプテンシートにした場合、ステップワゴンは内側にスライドさせると前後スライド量が長くなるロングスライド/中寄せ機構を採用した。助手席側2列目シートをいちばん内側で手前にセットすれば、運転席のお母さんが席を離れずに赤ちゃんをあやしたりもできる。ノア/ヴォクシーは従来型でこれを採用していたのだが、サイドテーブルを活用できるようにと左右スライドを廃し、シートの骨格やリクライニング機構の改良で、中寄せせずにロングスライドを可能にした。

3列目シートに目を移そう。ステップワゴンは伝統の床下収納式、ノア/ヴォクシーは左右への跳ね上げ式だがストラップによる固定を不要にして使い勝手を向上。3列目に乗車する機会が少なく、荷物を積むことが多いなら、ステップワゴンのほうがラゲッジスペースを広く使うことができそうだ。ノア/ヴォクシーの跳ね上げは簡単だが、スペースや斜め後方視界が気になる、という人もいるだろう。このあたりは、どんな使い方が多いかで選ぶことになるかもしれない。

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