初代シビック タイプR(1997年)
6代目シビックは1995年9月に登場。スポーツモデルとしてはSiRとフェリオSiをラインナップしていたが、1997年8月のマイナーチェンジで「タイプR」を追加した。「タイプR」とは、ホンダのスポーツモデルで最高峰のグレード名であり、1992年11月にNSX(初代)で初めて登場。1995年10月にはインテグラ(3代目)にも設定され、シビック タイプRは第3弾となる。
パワートレーンは、185ps/16.3kgmを発生する1.6L DOHC VTECのB16B型エンジンに5速MTを組み合わせる。エアロパーツで武装しながらもタイプRの信条である軽量化が図られ、レカロ製バケットシートやMOMO製ステアリングホイール、チタン製シフトノブなどの専用アイテムを装備した。これ以降、シビックのスポーツモデルの系譜は「タイプR」に継承されることになる。
2代目シビック タイプR(2001年)
7代目シビックは2000年9月に登場。それまでのハッチバックスタイルから一転、ミニバン的なフォルムとなり、発表当初SiもタイプRも設定されなかった。そのためか、7代目シビック登場後も初代シビック タイプRが2001年11月まで継続生産されていた。
そして2代目シビック タイプRは、2001年12月に登場。なんと、英国ホンダ工場で生産される、つまり輸入車となったのだ。日本に導入されていなかった3ドアハッチバック(欧州仕様)をベースに、215ps/20.6kgmを発生する2LのK20A型エンジンを搭載。組み合わされるトランスミッションは6速MTだが、ベース車の関係でユニークなインパネシフトを採用していた。
この2代目、日本での人気は今ひとつだったが、海外ではBTCC(英国ツーリングカー選手権)をはじめとする、さまざまなモータースポーツで活躍して知名度も高かった。
3代目シビック タイプR(2007年)
8代目シビックは2005年に登場したのだが、3代目となるシビック タイプRは1年半ほど遅れて2007年3月に発売された。それまでのタイプRはハッチバックボディだったが、3代目では4ドアセダンとなる。しかもベース車と同様に全幅が5ナンバーの枠を超えて、1770mmとなったため3ナンバー登録となった。
搭載エンジンはK20A型をキャリーオーバーしたが、吸排気系や圧縮比の変更などで225ps/21.9kgmにパワーアップされていた。18インチのBSポテンザ RE-070タイヤやトルク感応式LSD、ブレンボ製ブレーキキャリパーなどを装備。しかし排出ガス規制の問題もあって2010年で生産を終了するという、短命モデルでもあった。
シビック タイプR ユーロ(2009年)
2009年11月、欧州仕様の8代目シビック 3ドアハッチバックをベースに英国で生産された「タイプR ユーロ(TYPE R EURO)」が2010台限定で販売された。搭載エンジンは従来のK20A型からK20Z型へと変更。発生するパワーは最高出力201ps/最大トルク19.7kgmと、スペックの面で3代目タイプRより劣ったものの、日常域で扱いやすいパワー特性を獲得していた。そのため、ホンダは「大人のプレミアム スポーツモデル」と謳っていた。
ちなみに意匠を小変更した2010年モデルが1500台限定で追加販売された。