フルモデルチェンジされたアウトランダーPHEVに公道とオフロードコースの両方で試乗する機会を得た。上質な内外装や進化したパワートレーンによる走りは、三菱のフラッグシップにふさわしいものだった。

内外装はもちろん、走りも上質に進化していた

画像: フラッグシップSUVらしい、堂々たるスタイリング。ボディカラーは、ホワイトダイヤモンド/ブラックマイカの2トーン。

フラッグシップSUVらしい、堂々たるスタイリング。ボディカラーは、ホワイトダイヤモンド/ブラックマイカの2トーン。

2021年12月に発売が開始された新型アウトランダーPHEVだが、2022年1月31日の段階で9800台以上を受注したという。2021年度内の受注目標は5000台だったというから、人気は上々だ。

そんな新型アウトランダーを写真で見たときは、従来型よりかなり大きくなったように見えたが、全長は15mmしか長くなっていない。それでも全幅で60mm、全高とホイールベースで35mm大きくなっていて、たくましさや力強さを感じさせる。「ダイナミックシールド」もだいぶ見慣れたという人も多いことだろう。従来型ではマイナーチェンジでダイナミックシールド顔に変更し、当時こそ少し違和感があったが、新型はフラッグシップらしい堂々とした顔つきがいい。

今回の試乗車はトップグレードの「P」なので、ブラックを基調にサドルタン(明るい茶色)を組み合わせたインテリアトリムや本革シートが上質でいい雰囲気だ。アウトランダー「PHEV」としてははじめて3列7人乗りとなったのもトピックで、その使い勝手も気になるところ。ただ、2列目シート位置を後端に合わせておくと3列目のフットスペースはかなり狭い。2列目を前へスライドすることもできるが、そうすると2列目のフットスペースが狭くなる。エマージェンシー用として「プラス2」と割り切ろう。その代わり、3列目は床下にキッチリ収納できて、ラゲッジスペースがしっかり使えるのは良い。

画像: ノーマルモードでも走りは十分以上のパフォーマンスを見せる。エコで走っても不満は少ないだろう。

ノーマルモードでも走りは十分以上のパフォーマンスを見せる。エコで走っても不満は少ないだろう。

PHEVのパワートレーンこそ従来型から変わらないが、システム&制御は大幅に進化している。今回の試乗は市街地走行が中心だったので、基本的にはモーターで走行し、状況によってエンジンがアシストしたり充電のために作動したりするのだが、エンジンのON/OFFは運転していても気づきにくい。むしろ、タイヤのロードノイズのほうが気になるくらいだった。

ドライブモードは3つ「エコ/ノーマル/スポーツ」を用意されて、ノーマルでも元気な発進を見せ、けっこうゲインが高い。エコは少し穏やかなスタートとなるが、それでも十分な加速である。スポーツにすると、市街地では持て余すくらいパワフルだ。

アクセルペダルだけで加減速ができる、いわゆる「ワンペダル(三菱ではイノベーティブペダルと呼ぶ)機能」は日産ゆずりのものだが、完全停止はしない。個人的には、最後はブレーキペダルを踏んでキチンと止めるほうが安全ではないかと考えているので、これは悪くない。

今回は短時間の市街地走行だったので、先進運転支援システム(ADAS)系の装備を試す機会はなかったが、それでもフラッグシップらしい乗り心地の良さ、電動車らしい気持ち良い加速感、質感の高い内装やインターフェースの扱いやすさなどが確認できた。次の機会では高速でのロングツーリングもしてみたい、と思わずにはいられなかった。

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