日本のモータリゼーションとともに月刊モーターマガジンは発行を重ね、今号で800号を迎えた。その間、約67年。自動車業界は今、100年に1度という大変革期を迎えている。そこで、この特集では日本を代表するメーカーやインポーターのキーマンにインタビューし、近未来の展望やカーボンニュートラルへの取り組みなどを訊くことにした。訊き手:Motor Magazine編集長 千葉知充(Motor Magazine2022年3月号より)

アウディが目指すのは生産地からプロダクツ、それに乗るためのリソースまで一貫した脱炭素モビリティ。日本のマーケットでも同じ「価値」が提供されそうだ。ここではアウディ ジャパン ブランド ディレクター マティアス・シェーパース氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。

画像: 【Profile】マティアス・シェーパース:2002年アウディAGに入社。アジア地区セールス、アウディ ジャパン営業本部長兼ネットワーク開発部長、Audi Volkswagen Taiwan代表取締役社長兼アウディ事業責任者を経て、2022年1月から現職に就く。

【Profile】マティアス・シェーパース:2002年アウディAGに入社。アジア地区セールス、アウディ ジャパン営業本部長兼ネットワーク開発部長、Audi Volkswagen Taiwan代表取締役社長兼アウディ事業責任者を経て、2022年1月から現職に就く。

自然エネルギー供給にも注力し真にクリーンなBEVを提供します

本誌 千葉知充(以下、MM) サスティナブルなクルマ作りと言っても、さまざまな意味合いがあると思います。アウディブランドは、どのような考え方に基づいて、SDGsの活動に取り組んでいらっしゃいますか。

マティアス・シェーパース氏(以下、シェーパース) 基本的にSDGsという考え方は、最近は日本でもとても関心を持たれています。教育分野でも、盛んに取り上げられているようですね。私たちアウディブランドの場合、SDGsに関しては、生産の過程でいかにクリーンにクルマを作っていくかという取り組みを、以前から行っています。たとえば、外装用の塗料を環境負荷の少ない水性由来のものに変更したり、排水のリサイクルなど、環境に配慮する工夫は多々あります。
2025年までに、全世界に5カ所ある生産工場のカーボンニュートラル化を目指していますが、そのうちの3カ所、ベルギーのブリュッセル工場、ドイツネッカーズルムのベーリンガーホフ工場、そしてハンガリーのジェール工場ではすでに、目標がほぼ達成されています。

画像: 欧州最大級の屋上ソーラー施設を持つ、ハンガリー ジェール工場。電気だけでなく熱資源にも地下熱水を利用する。

欧州最大級の屋上ソーラー施設を持つ、ハンガリー ジェール工場。電気だけでなく熱資源にも地下熱水を利用する。

MM アウディとしては、早い段階でLCA(ライフサイクルアセスメント)に注目されてきたわけですね。プロダクツに関しては、やはり中核は電気自動車(BEV)になりそうでしょうか。

シェーパース ディカーボナイゼーション(脱炭素)を目指すなら、生産の段階からきれいにしましょう、という考え方がアウディにはあります。そしてBEVというのは自動車業界において、もっとも大きな費用対効果が期待できるプロダクツではないかと思っています。
ただし、クリーンエネルギーをリソースとして使わなければ、真のクリーンとは言えません。そこでアウディとしては、欧州各国に新たな風力発電所および太陽光発電所を建設するべく、複数のエネルギープロバイダとのコラボレーションを進めています。そこで発電されたエネルギーは、我々のチャージングパートナーを通じて、電気自動車ユーザーに届けられるわけです。

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