レースで活躍するホイールは、スタッドレスとの相性も抜群
スタッドレスタイヤはサマータイヤに比べてトレッドの溝が深くなる分、ゴムのボリュームが増し、タイヤの重量もやや重くなる。純正ホイールに比べると軽量なRI-Aを装着することで、タイヤの重さを差し引いてもまだバネ下が軽量であることはフォレスターの軽快なドライブフィールからもわかった。おかげで都内から長野に向かうドライブも快適だった。
BBSのホイールは、グリップ力の高いタイヤでアスファルトのドライ路面を走る時にしなる特性も相まって、コーナリング性能が上がる。でも今回はそこまでのGはかからないので、その性能の確認はサマータイヤに履き替えたときにとっておこう。
冬場はバネ下が重たい方が荷重がかかりやすそうだけれど、軽い方がタイヤが穏やかに路面に追従するので、理論的にはグリップ力は上がるはずだ。とくに凍ってガタガタに荒れたような路面では車両の上下運動に対し、重たいほうが暴れやすいのだ。
ここでこうして紹介しているのだからあらためて言うまでもないが、BBSのホイールはRI-Aも含めスタッドレスタイヤの装着にも向いている。その製造工程を知れば冬道での信頼性が高い理由が理解できるだろう。
じっくりと2~3回に分けてプレス機で行う鍛造行程に始まり、圧延して成型されるリム部(スピニングと呼ばれる行程)、表面にキズが付きにくくなる熱処理も2工程に分けて、異なる温度で長時間をかけてじっくりと行われる。
さらにいくつかの行程を経て、金属疲労による亀裂を防ぐために表面強度を上げていく。そして手作業によって微細なオウトツを取り除き、塗装前の処理/研磨仕上げを行い、塗装工場へと運ばれるのである。
高品質という点にさらに注目すると、塗装の強さもその特徴のひとつだ。2021年に新しい塗装工場が完成し、作業効率とともに塗装品質も向上している。とくに塗膜の強さは、凍結防止剤からアルミの腐食を守るなど、欧州高級車メーカーへのOEM供給で鍛えられた高い耐久性も持ち合わせている。
耐久性に優れた良品はオールウエザー、オールシーズンと天候を問わず長く使えるということでもバリューが非常に高い。余談だが、RI-Aのカラーバリエーションにはダイヤモンドシルバーやダイヤモンドブラック、ゴールドと今回のマットグレイの4色があるのだけれど、今回装着したマットグレイは中でも、ちょっとした汚れも目立ちにくい。
細部にまでBBSの技術のこだわりがつまったRI-A。ウインターシーズンに、しかもSUVに装着するなんて勿体ない、と思ったことを反省した今回のスノードライブだった。(文:飯田裕子/写真:伊藤嘉啓)