電動化を着実に推し進めているボルボ。プロダクツはもちろんさまざまな場面で、斬新かつ挑戦的な取組みを続けている。その勢いは、さらに加速しそうだ。ここではボルボ・カー・ジャパンの代表取締役社長 マーティン・パーソン 氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。
製品、販売体制から、SDGsまで、ボルボは常にチャレンジします
本誌 千葉知充(以下、MM) 2021年はコロナ禍や半導体不足など自動車メーカーにはいろいろと逆境の多い1年でした。しかしボルボは日本市場において、前年比+107%というすばらしい業績を記録しています。
マーティン・パーソン氏(以下、パーソン) 主力になっていたV40抜きの2021年でしたが、各モデルが20%ずつ伸びたんです。それを考慮に入れると、とてもいい結果でした。
MM 好調の要因はどこにありますか。
パーソン SUVや大きなクルマにシフトしたことで、売り上げアップにもつながりました。販売現場との協調体制がうまく構築できたことも、好調の要因でしょう。いろいろな意味で売りやすくなるように工夫して挑戦した結果が、この素晴らしいセールスにつながりました。
それは、現場の自信にもなっているようです。今後は、BEVのC40リチャージが日本で本格的にデリバリーをスタートしますが、環境的には絶好のタイミングだと思いますね。
MM そのC40リチャージですが、2021年のファーストエディションは100台をサブスクリプションで募集したところ6倍近い、575台もの応募がありました。なぜこれほどの反響があったのでしょう。予想していましたか。
パーソン もともとこのサブスクリプションは、「電気自動車の分野でボルボは、ほかのブランドとは違うアプローチをする」という意思表示でした。それは、今までボルボを買ってくださった方々とは違う層のお客さまへの、アピールでもあります。
目論見どおりサブスクリプションに申し込まれたお客さまの7割は、ボルボオーナーではなく、中にはクルマを持っていないという人も含まれています。「サブスクリプションじゃなかったらクルマは持たなかった」とおっしゃる方もいました。
「クルマは使いたいけれど、所有はしたくない」という目線は、すごく新しいと思います。それにサブスクリプションとBEVの相性はとてもいい。それはBEVは新しいテクノロジーで、お客さまも不安を感じているからです。走行性能や使い勝手、それに下取りなどです。そうした理由からも、ノーリスクのサブスクが向いているのです。
MM C40のオンラインによる販売方法も注目されていますね。
パーソン オンライン販売は、BEVに限って導入するシステムです。想定している比較的若い年齢層のお客さまはネット上で、興味のあるポイントや価格などを心ゆくまでリサーチして、購入を決心されます。その段階で、あとはディーラーさんと結びつけます。
つまり、オンラインとオフラインをミックスした購入経験になるわけです。同時に、CRC(カスタマーリレーションセンター)という新しいサービスも整備しました。お客さまがネットで調べていて、急に問い合わせたいことが発生した時、中立的な立場で対処します。訊きたいことを気兼ねなく訊けるのが、CRCのメリットです。
MM BEVと言えば、C40に続いてXC40のBEVの日本導入がすでに発表されています。少し気が早いかもしれませんが、第3弾がXC90のBEVになったら、と個人的にはとても興味深いです。
パーソン 最低でも、1年に1車種以上のBEVを日本に導入し続けていくというのが、我々のプランです。C40は2021年に入れたという形になりますから、2022年はXC40リチャージということですね。
その次に導入されるBEVは何か。これは秘密にしているわけではありませんが、BEV専用のプラットフォームを使ったニューモデルを導入するつもりです。その新世代プラットフォームは、バッテリーレイアウトのしやすさや、デザインの自由度といった面で、現行モデルとは比べ物にならないほどのベネフィットを実現しています。ただそのニューモデルが、2023年中に日本に導入されるかどうかは、いまのところわかりません。