「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、レクサス IS F CCS-Rだ。

レクサス IS F CCS-R(2011年:サーキット専用モデル)

画像: カーボン製パーツの採用をはじめ、レーシングカー並みのチューニングが施され、車両重量は1400kg以下に抑えられている。

カーボン製パーツの採用をはじめ、レーシングカー並みのチューニングが施され、車両重量は1400kg以下に抑えられている。

レクサス ISのハイエンドモデルであるIS Fのサーキット専用モデル、「CCS-R」に試乗する機会を得た。CCSとは「サーキット クラブ スポーツ」の略で、Rはレーサーを意味するという。

CCS-Rの概要でまず驚かされたのは、ベース車両に対して約300kgもの軽量化を実現していることだ。ボンネット、フロントフェンダー、トランクフード、リアスポイラー、リアウイングなどをカーボン製として、さらにウインドーはポリカーボネートに変更。ドアも軽量化している。

コクピットには、ロールケージがしっかりと組み込まれている。ボディはスポット溶接増しなどで強化され、120Lの安全燃料タンクを装備。また簡単にタイヤ交換ができるエアジャッキシステムも装着。6点式シートベルトとフルバケットシートもお約束で、実はこのままでもニュルブルクリンク24時間レースに出場できるのだという。

ざっと見ただけでもレーシングマシンそのものの出で立ち。しかしエンジンとトランスミッションには手を加えられていない。わずかにチタン製のエグゾーストシステムが奢られているぐらいだ。

テールスライドを安心して楽しめるセッティング

画像: FSWの約1.5kmのメインストレートでは250km/hオーバーを記録。ドライ路面なら、もっと伸びるだろう。

FSWの約1.5kmのメインストレートでは250km/hオーバーを記録。ドライ路面なら、もっと伸びるだろう。

試乗当日の富士スピードウェイ(FSW)は、あいにくの雨 。  ATセレクターをDレンジ横のM(マニュアル)にセットし、ステアリングのパドルを引いて操作する。これだけでもF1マシンをドライブするような感覚だ。

FSWの最終コーナーを2速で立ち上がって、長いストレートの手前からシフトアップ。グングンと加速して、6速6300rpm、メーター読みで250km/h強のトップスピードを記録した。ウエット路面ではブレーキングが神経質になるのだが、踏みすぎればABSがキチンと作動する。その状態でさらに無理やりステアリングを切り込むと、アンダーステアもオーバーステアもVDIM(統合型走行安定システム)が対応してくれる。

VDIMを採用する理由は、車名に「クラブ」とあるように、仲間とサーキット走行が楽しめるようにという開発側の意図がある込められているからだという。日産 GT-Rにも、このVDIMと同じようにスポーツスタビリティコントロールが採用されているが、このCCS-Rの方がコントロールは自然な印象だ。それはやはり、このクルマがFRだからなのだろう。

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