出走順の不利を覆してロバンペラが2日目に首位に浮上
2021年はコロナ禍によって中止されたため、2年ぶりの開催となったラリー・スウェーデンは、今回から雪を求めて拠点を北部の都市ウーメオに移動。主催者の思惑通り、ステージは絶好のスノーコンディションとなり、初日に先頭スタートとなるロバンペラの苦戦が予想された。(開幕戦ラリー・モンテカルロの1位、2位であるセバスチャン・ローブ、セバスチャン・オジェの不参戦のため、4位のロバンペラが繰り上がり)
しかし、金曜日のオープニングループの3ステージは、レッキ(事前試走)時以上に深い雪となり、ラリー1車両が何台通過しても路面グリップが向上しない状態に。後続と比べてもスタート順の不利が少なくなったロバンペラは、この好機を活かして好タイムを刻み、首位に立ってラリーの主導権を握る。
さすがに午後のリピートステージでは先頭スタートの不利が出てタイムと順位を落としたものの、ここで上手くタイヤを労ったことが幸いして、この日最終のSS7で上位陣が軒並み摩耗したタイヤで大きくタイムを落とす中、2番手まで順位を戻して初日を終えた。
独走のロバンペラにハイブリッドシステムのトラブル
勝負の土曜日、2番手スタートとなったロバンペラは一気にペースを上げて首位を奪うと、そのまま後続との差を広げていく。
前日首位だったヌーヴィルは、2度のドライビングミスで後退。僅差で食らいついていたトヨタのエルフィン・エバンスも、土曜日最終のSS15のフィニッシュ地点でコースアウトして規定外の道を通ったため、痛恨の10秒ペナルティの裁定を受けてしまう。
これで楽になったかと思われたロバンペラに、最終日の日曜日の朝、最後の試練が訪れる。今季から導入のハイブリッドシステムが不調となり、GRヤリス ラリー1はパワーブーストなしでこの日の4ステージを走らなければならなくなったのだ。
しかし、高速セクション中心のラリールートではそれが大きなタイムロスにつながることなく、ロバンペラはリードを保ったままフィニッシュ。自身3勝目、GRヤリス ラリー1にとっての初勝利を挙げるとともに、ドライバーズ選手権リーダーに浮上した。
やはり日曜日朝にハイブリッドシステムのトラブルでノーブーストでスタートしたエバンスは、雪壁に激突してリタイア。かわってヌーヴィルが2位でフィニッシュ、ランキングでも2位となっている。
次戦2022年WRC第3戦ラリー・クロアチアは、4月21日〜24日、首都ザグレブを起点に開催される。ラリー・クロアチアは2021年に初めてWRCとして開催、全ステージがターマック(舗装路)で行われるが、コーナーイン側の未舗装路部分をショートカットする「インカット走行」により砂利や泥が掻き出され、滑りやすくトリッキーな路面コンディションとなるのが特徴となっている。
2022年WRC第2戦 ラリー・スウェーデン 結果
1位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h10m44.9s
2位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 Nラリー1)+22.0s
3位:E.ラッピ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+30.6s
4位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m19.4s
5位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+3m20.4s
6位:O.ロズベルグ(フォード プーマ ラリー1)+5m39.4s
7位:A.ミケルセン(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+7m11.1s
8位:O.C.ベイビー(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+7m34.3s
9位:J.フッツネン(フォード フィエスタ ラリー2)+8m14.2s
10位:E.カウル(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+8m24.8s
2022年WRCドライバーズランキング
1位:K.ロバンペラ(トヨタ)46
2位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)32
3位:S.ローブ(Mスポーツ フォード)27
4位:G.グリーンスミス(Mスポーツ フォード)20
5位:S.オジェ(トヨタ)19
6位:勝田貴元(トヨタ)18
2022年WRCマニュファクチャラーズランキング
1位 トヨタ 83
2位 Mスポーツ フォード 59
3位 ヒョンデ47