クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポートの中からボルボ V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプションを紹介していこう。小さなところにもボルボのクルマ作りは感じられるものだ。今回は2020年冬に行われた試乗レポートを振り返ってみよう。(Motor Magazine 2020年3月号より)

ワイパーブレード側に装備されているウインドウウォッシャー

長期テスト車のV60 T6をはじめ、最近のボルボ車にはウインドウウオッシャーの噴射ノズルがない。いや、正確に言えば、ボディ側に付いていないのだ。ではどこにあるのだろうか。それはワイパーブレードの中に装備されているのである。そのメリットはどこなのだろうか。

ところで、ウインドウウオッシャーを使う時にまわりを気にするという人も多いことだろう。雨のときはそれほど気にしないが、晴れているときなどは、自分が噴射したウオッシャー液が後続車を汚してしまわないか、または近くにいる歩行者や自転車にかかってしまわないか、などである。 

しかし、これがボルボ車のようにワイパーブレードの中に装備されていると、まわりに飛び散ることがないので、そうした気遣いが必要なくなるのである。そう、好きなときにフロントウインドウにウオッシャー液を噴射することができるのだ。実によく考えられているし、人にやさしいボルボらしいと言えるのではないだろうか。

画像: 周辺にいる歩行者を気にしないでウインドウウオッシャーが使える。

周辺にいる歩行者を気にしないでウインドウウオッシャーが使える。

リアシートでも快適なボルボ V60

人にやさしいと言えばもうひとつ。長期レポート車の担当者になるとリアシートに乗る機会はなかなかないのだが、先日、他の編集部員に運転してもらってリアシートに座った。その日の都内は外気温3度と低く、とても寒かったのだが、V60のリアシートにはシートヒーターが装備されていることを思い出しさっそくスイッチオン。すぐにポカポカととても快適なひとときを過ごすことができたのである。

ボルボは、大人であっても子供であっても女性でも男性でも、クルマに乗る人は誰もが等しく安全でなければならないという哲学を持っている。つまり、どの席に座っても安全なのである。そして今回改めて認識したのはどの席に座っても快適である、ということだ。

以前、ボルボ本社のセーフティ部門のディレクター、ヤン・イヴァーソン氏にボルボ車はどこに座ると安全ですか? と聞いたことがあるが、それは愚問というものだった。ボルボのクルマづくりの根底にあるのは、前述したように乗員全員、誰もが等しく安全であるということなのである。

安心して運転できるのはもちろん、安心して人を乗せることができるのもボルボ車なのである。

画像: シートの調整機能はここに集約される。丸いスイッチがマッサージ機能でここで操作する。

シートの調整機能はここに集約される。丸いスイッチがマッサージ機能でここで操作する。

■第6回/2019年12月22日~2020年1月24日(6カ月目)のデータ
・オドメーター:7953km
・走行距離:1243km
・給油量:103.1L
・実燃費:12.1km/L

ボルボ V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:2030kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:186kW(253ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm/1700-5000rpm
●モーター最高出力:34kW/2500rpm(前)、65kW/7000rpm(後)
●モーター最大トルク:160Nm/0-2500rpm(前)、240Nm/0-3000rpm(後)
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:AWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:13.7km/L
●タイヤサイズ:235/45R18
●車両価格(税込):759万円(当時)

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