2021年11月4日、次世代BEV「BMW iX」と同時に、X3のBEVバージョン「BMW iX3」が登場した。ここに「BEVをどのようなクルマとして仕上げれば、多くのユーザーに受け入れられるのか」という課題に対するBMWのひとつの解がある。特集第2回では、 iXと比較しながら、あえて従来と変わらない機能性を備えた iX3の魅力を探ってみよう。(Motor Magazine2022年4月号より)

ともにBEVながら、似て非なる「iX3」と「iX」

新しいiX3とiXは、モデル名は似ているが、BEVであることを除いて共通項が少ない。開発コードを比べるとiX3はG08でiXはI20である。つまりiX3は、G01(X3)/G02(X4)/G03(X5)/G06(X6)/G07(X7)という、通常のBMWラインナップ上で開発されたのだ。対してiXは、サブブランドとして認知されつつある「i」ラインナップ上の、I01(i3)/I12(i8)/I15(i8カブリオレ)に続く登場となったわけだ。

BMWのBEV戦略を牽引するのはiブランドに間違いないが、通常のBMWブランド、通常のBMWボディラインナップにもBEVの選択肢を設けるために登場したのがiX3である。

iX3のボディはX3そのものなのだが、車内外にiブルーのアクセントカラーが散りばめられていることで、BEVであることがアピールされている。操作系は、エンジン車のX3と差はなく、いつものBMWのつもりでそのまま運転できるからBEVを意識することはない。ドア開閉の仕方や、ドスンという閉まり音も同じだ。

画像: X3をベースに誕生したBEVが「iX3」。

X3をベースに誕生したBEVが「iX3」。

ブレーキペダルを踏み込み、スタートストップボタンを押して出発準備をする。ただしスタートストップボタンはiブルーになっているし、ボタンを押した後もエンジン音はしない。

セレクターにもiブルーのアクセントストライプが入るが、形状と操作方法はエンジン車と同じである。ただしDレンジからレバーを左に倒すと、SではなくBになる。ここは回生が強く働くレンジだから、長い下り坂などで使える。

スタートストップボタンの後方にスポーツ/コンフォート/エコプロのスイッチが並びドライブモードを変えられるのもエンジン車と同じだ。各モードでメーター表示も変わるが、表示そのものはBEV用に一新されている。

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