「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 1シリーズだ。

乗り心地、ハンドリングとも、ひとクラス上に進化

走り出して最初の印象は「これが1シリーズか!」と思うほど乗り心地が良くて、静かになっていたことだ。テストしたのはスポーツグレードで、オプションのMスポーツ サス+18インチのランフラットタイヤを履いていたが、バネ下がよく動きつつバネ上はフラットに保たれていた。もちろん欧州車らしく節度感のある硬さはあるものの、1シリーズとは思えない快適さだ。

画像: 日本仕様のパワーユニットは、この1.6Lターボのハイパワー版が中核になるはず。車名は120iになるようだ。

日本仕様のパワーユニットは、この1.6Lターボのハイパワー版が中核になるはず。車名は120iになるようだ。

快適さにはノイズの遮断も大きくかかわってくるが、新1シリーズはこちらも抜かりはない。車内は適度に静かで乗り心地とともに1シリーズを上級カテゴリー並みに押し上げた。

ハンドリングはさすがにBMW。1シリーズの機敏さはそのままに限界性能を上げたものになっており、ミニサーキットでのシャープなハンドリングは小気味良かった。リアのグリップ限界が高くなっているので、そのぶん流れたときに素早い修正を要求されるが、それも扱いにくいレベルではない。

BMWが標榜する50:50の前後重量配分の良さがブレーキングをはじめ、コーナリングでも堪能できた。スポーツモードではハンドルの重さは変わるが、足まわりまでは変わらない。足まわりの制御はダイナミックパッケージで設定される。

BMWはこの魅力的な1シリーズを秋には日本に導入するようだ(編集部註:2011年9月販売開始)。日本の公道で、このパフォーマンスを早く味わってみたいものだ。

画像: 乗り心地は良く、ハンドリングはシャープ。さすがはBMW、「駆けぬける歓び」を味わわせてくれる。

乗り心地は良く、ハンドリングはシャープ。さすがはBMW、「駆けぬける歓び」を味わわせてくれる。

■BMW 118i(欧州仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4324×1765×1421mm
●ホイールベース:2690mm
●車両重量:1315kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:125kW(170ps)/4800rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/4750rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・52L
●EU総合燃費:17.9km/L
●タイヤサイズ:195/55R16

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