2022年4月12日、本田技研工業の三部敏弘(みべ としひろ)取締役 代表執行役社長は、四輪電動ビジネスの取り組みに関する会見を行った。内容は現状報告や今後の展開、組織変更など多岐に渡るものだが、ここでは日本を中心としたEV(電気自動車)の製品展開、そして同時に公開された「スポーツEV」についても紹介していこう。

スポーツEVの開発も進行中。ホンダのスポーツマインドを体現か

画像: EVのハードウエアとソフトウエアの各プラットフォームを組み合わせたEV向けプラットフォーム「ホンダ e:アーキテクチャー」のイメージ。

EVのハードウエアとソフトウエアの各プラットフォームを組み合わせたEV向けプラットフォーム「ホンダ e:アーキテクチャー」のイメージ。

2020年代後半に入ると、EV普及期としてグローバルな視点でベストなEVを展開する。具体的には、EVのハードウエアとソフトウエアの各プラットフォームを組み合わせたEV向けプラットフォーム、「ホンダ e:アーキテクチャー」を採用した商品を2026年から投入すること。

そして、GMとのアライアンスを通じて、コストや航続距離などで従来のガソリン車と同等レベルの競争力を持つ量販価格帯のEVを、2027年以降に北米から投入する計画だ。こうした取り組みによりホンダは、EVを2030年までに軽商用からフラッグシップクラスまで、グローバルで30機種を展開し、年間生産台数は200万台を超える見通しだ。

ホンダの2021年世界生産台数(1月〜12月)が約414万台だから、2030年までに半分近くをEVに置き換える計算となる。そのための生産体制の強化はすでに行われており、中国では武漢のほかに広州にもEV専用工場を、北米でもEV専用生産ラインの建設を計画している。

なお、もうひとつの電動化モデル「ハイブリッド車」は、現段階においてホンダの主力であり武器でもある。その戦力図はEV普及期にあたる2030年おいて、また2035年においても大きく変化していないと考えられており、エンジンとモーターをセットにした開発は今後も続けられる。

2021年に発売された新型シビックにも、近くハイブリッド車のe:HEVが追加設定される予定だ。コンベンショナルなエンジン車はフェードアウトしていくが、ハイブリッドはまだまだ継続生産されていく。

さらに、ホンダの三部社長は、興味深い発表を行った。カーボンニュートラルや電動化に挑む中でも、ホンダは常にFUN(ファン=楽しみ)もユーザーに届けていきたいという想いから、操る喜びを電動化時代にも継承し、ホンダ不変のスポーツマインドや、際立つ個性を体現するようなスペシャリティとフラッグシップ、2つのスポーツモデルをグローバルへ投入するというのだ。

画像: EVスポーツモデル(フラッグシップ)

EVスポーツモデル(フラッグシップ)

この2台は当然ながらEVであり、現在開発中のため具体的な内容は公表されなかったが、ベールを被った画像が公開された。フラッグシップはNSXの後継車で、スペシャリティはS2000の後継車的なモデルとなるのだろうか。いずれも2020年代半ばには発表される予定だというから、楽しみに待つことにしよう。

画像: EVスポーツモデル(スペシャリティ)

EVスポーツモデル(スペシャリティ)

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