2022年6月14日、BMWジャパンはフルモデルチェンジした2シリーズ アクティブツアラーを日本デビューさせた。だが、ミニバンタイプのグランツアラーのフルモデルチェンジ情報は本国からも入ってこない。そこで、日本とヨーロッパのミニバン&MPV事情について探ってみたい。(タイトル画像はBMWジャパンのクリスチャン・ヴィードマン社長と新型2シリーズ アクティブツアラー)

日本のようなミニバン人気はないヨーロッパ市場

画像: サイズは従来型とほとんど変わらない、新型2シリーズ アクティブツアラー。

サイズは従来型とほとんど変わらない、新型2シリーズ アクティブツアラー。

BMWがプレミアム コンパクトSAT(スポーツ アクティビティ ツアラー)と呼ぶ、2シリーズ アクティブツアラーは、いわゆるコンパクトMPVに相当する。2ボックスのハッチバックをベースに車高を高め、居住空間やラゲッジスペースを向上させたモデルだ。メルセデス・ベンツのBクラスが、そのライバルといえるかもしれない。

新型2シリーズ アクティブツアラーは従来型とサイズ的には大きく変わらないが、BMW伝統のキドニーグリルは八角形をイメージした大きなものとなり、インテリアではカーブドディスプレイやスイッチタイプのATセレクターなど、よりモダンなデザインとなった。

パワートレーンは、1.5L 直3ガソリンターボと2L 直4ディーゼルターボを搭載。トランスミッションは、いずれも7速DCTで前輪を駆動する。先進の安全装備をはじめコネクテッド機能などの快適装備も充実している。

小さな子どもがいるヤングファミリーや、子育てを終えたシニアカップル(エンプティネスター)がターゲット層だという、2シリーズ アクティブツアラー。そこでフッと思い出したのが、アクティブツアラーをベースに3列シートのミニバンとしたグランツアラーだ。

画像: 3列シートを持つ現行の「グランツアラー」。従来型2シリーズ「アクティブツアラー」より全長は215mm長く、全高は95mm高かった。

3列シートを持つ現行の「グランツアラー」。従来型2シリーズ「アクティブツアラー」より全長は215mm長く、全高は95mm高かった。

2014年に従来型の初代2シリーズ アクティブツアラーがデビューしたとき、「やはりミニバンは作らないのがBMWらしい」と多くの人が思ったはずが、ほぼ1年後にグランツアラーが登場し、「BMW、お前もか」と言わしめた。だが今回、グランツアラーに関してはフルモデルチェンジの情報は入ってこない。BMWジャパンのBMWブランド マネジメント ディビジョン本部長である遠藤克之輔氏に尋ねてみたところ、「現段階ではペンディングのようです」という回答だった。

これには、日本とヨーロッパではMPV市場の状況が違うことも理由のひとつに挙げられるだろう。日本では、SUV同様にミニバンも人気だ。コンパクトクラスでも、「普段は親子4人で乗っていても、休日に実家へ行って祖父母も乗せて近くのファミレスへ・・・」なんて使い方のためには、5+2であったとしても3列目シートが必要になる。

だが、ヨーロッパではこうした日本的な使い方は少なく、このクラスで3列目シートを求める層は多くない。ミニバン(ヨーロッパではモノスペースと呼ばれるほうが多いが)は、ホテルの送迎とか、パーソナルユースよりはビジネスユースに使われるほうが多い。他メーカーの話になるが、シトロエンもミドルクラス ミニバンのグランドC4スペースツアラー(旧名:グランドC4ピカソ)の生産を2022年7月で終了し、SUVに注力するという。

This article is a sponsored article by
''.