クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。Motor Magazine誌で連載した長期レポート車ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプションもそのひとつ。今回はテスト期間が35日と長かったため、走行距離も2600kmを超えた。高速道路をACCで巡航するような移動が少なく、燃費はストップ&ゴーの多い都内を走るという状況の数値であった。(Motor Magazine 2022年2月号より)

Google採用でインフォテインメントシステムはどう変わる?

今回から長期テストを開始するのは、2021年9月に改良されたボルボXC60 B5 AWD インスクリプションである。いつものようにまずはこのモデルの概要を記しておく。

画像: 従来型とは大きく変わりマフラーの出口がリアバンパーの中に隠されて見えないようなデザインとなった。

従来型とは大きく変わりマフラーの出口がリアバンパーの中に隠されて見えないようなデザインとなった。

搭載するエンジンは、2L直4ターボエンジンで最高出力250ps、最大トルク350Nmを発生する。これに14ps、40Nmを発生する電気モーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載している。B5の“B”はハイブリッドシステム搭載車に付けられるネーミングだ。駆動方式は、電子制御式AWDシステム、8速ATとなる。

テスト車の車両価格は749万円(発売時)だ。ボディカラーは新色のプラチナグレーメタリック(有料色)、インテリアは、パーフォレーテッド ファインナッパレザー ブロンドチャコールとなる。

装着するオプションは、電子制御式4輪エアサスペンション/ドライビングモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー、ラグジュアリーパッケージ(チルトアップ機構付電動パノラマガラスサンルーフ、Bowers&Wilkinsプレミアムサウンドオーディオシステム[1100W、15スピーカー]サブウーファー付き)、ボルボドライブレコーダーである。

画像: 縦型のタッチ式ディスプレイは変わらないが中味は大進化。

縦型のタッチ式ディスプレイは変わらないが中味は大進化。

改良されたポイントは、内外装に新デザインを採用したことだが、エクステリアは、従来からのキープコンセプト。より洗練されたという印象だ。一番わかりやすい違いはリア部分で、マフラーの出口がバンパーの中に隠されて、すっきりとしたデザンとなった。

ボルボの大きな特徴でありメリットでもある、全車標準装備の先進安全運転支援システムには、「先行車発進告知機能」、「リア衝突回避・被害軽減ブレーキ」という新機能も追加されている。

そしてなにより注目したいのはHMIに、Googleを搭載したことだ。中央に配置された縦型ディスプレイこそ変わらないが、その中ではAndroidのOSが動いている。またそれにともないメーターディスプレイも大きく変わった。今後は、こうしたXC60の大進化をレポートしていきたい。 

■第1回/2021年11月15日~12月20日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:3991km
・走行距離:2611km
・給油量:270.1L
・実燃費:9.7km/L

ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプション主要諸元

●全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
●ホイールベース:2865mm
●車両重量:1870kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1968cc
●最高出力:184kW(250ps)/5400-5700rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1800-4800rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●JC08モード燃費:12.1km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):749万円(発売時)

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