パワー オブ チョイスが魅力でもあるプジョーは、新型308にもガソリン、ディーゼル、そしてプラグインハイブリッドを揃える。ここではガソリンのアリュールとライバル車を「気持ちよく」比較した。(Motor Magazine2022年7月号より)

Cセグメントの覇権争いとDセグメントとの下剋上

ハンドリングについても、トレッドの拡大もあってか応答性は機敏で、旋回のシャープネスも大きく向上した。小径ハンドルが自ずとハイゲインなドライビングへと導くあたりは、シトロエンやDSと棲み分けて、スポーティさを明確に押し出している近年のプジョーにおいて、まさに筋書きどおりということなのかもしれない。

画像: 308アリュール右)、ゴルフeTSIともに3気筒エンジンを搭載するが言われなければ気が付かないほどその完成度は素晴らしい。

308アリュール右)、ゴルフeTSIともに3気筒エンジンを搭載するが言われなければ気が付かないほどその完成度は素晴らしい。

ただ、縦方向の丸い動きと、横方向の鋭い動きとの足並みが揃っているかという点について言えば、旋回側の動きがやや強すぎるのではないかと個人的には思う。操舵初期のゲインや車体のロール量を緩やかな方向に修正すれば、クルマの動きの統合感がより増すのだが、この場面では小径ハンドルがじんわりした操舵入力を加えづらいという課題も抱えている。個性とのトレードオフとはいえ、そこはちょっともったいない。

この点、全体的にまとまりをみせてくれたのがゴルフだ。乗り心地は新型308に比べればやや雑味を感じるところもあるが、基本的には同系統の穏やかな感触で、そこから旋回モーションに至る動きの繋がりにもまったく引っ掛かりどころがない。適度なロールやピッチをみせながらもねっとりしたロードホールディングで、初めての山道でもクルマが即座に手の内に収まるような安心感がある。

新型308は佳作だった前型にも増して、セグメントリーダーという野心をより明確に示した快作かもしれない。端々に、かのゴルフを一気に追い込むほどの勢いも感じられる。が、土俵際でうっちゃり負かす横綱の手練ぶりをゴルフに感じたのもまた確かだ。気付けけばCセグメントの覇権争いは、Dセグメントとの下剋上もやむなしという、とんでもないレベルに達しつつあるのかもしれない。(文:渡辺敏史/写真:永元秀和、佐藤正巳、井上雅行)

レクサス CT 200h“version L” 主要諸元

●全長×全幅×全高:4355×1765×1460mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1440kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1797cc
●最高出力:73kW(99ps)/5200rpm
●最大トルク:142Nm/4000rpm
●モーター最高出力:60kW(82ps)
●モーター最大トルク:207Nm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・45L
●WLTCモード燃費:21.3km/L
●タイヤサイズ:215/45R17
●車両価格(税込):488万1000円

フォルクスワーゲン ゴルフeTSI アクティブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1310kg
●エンジン:直3DOHCターボ+モーター
●総排気量:999cc
●最高出力:81kW(110ps)/5500rpm
●最大トルク:200Nm/2000-3000rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●WLTCモード燃費:18.6km/L
●タイヤサイズ:205/55R16
●車両価格(税込):328万8000円

プジョー 308 アリュール 主要諸元

●全長×全幅×全高:4420×1850×1475mm
●ホイールベース:2680mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直3DOHCターボ
●総排気量:1199cc
●最高出力:96kW(130ps)/5500rpm
●最大トルク:230Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・52L
●WLTCモード燃費:17.9km/L
●タイヤサイズ:225/45R17
●車両価格(税込):305万3000円

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