プジョーが提唱した「パワー・オブ・チョイス」は、豊富なパワーユニットのラインナップにより構築されている。ここではプジョーが展開するパワーユニットとモデルを整理しつつ、「パワー・オブ・チョイス」を読み解いていく。(Motor Magazine 2022年7月号より)

走りとしつらえの両面で最上のコンフォートを提供──508シリーズ

プジョーのラインナップにおいてフラッグシップを務めるDセグメントセダンが508、そして、そのステーションワゴン版が508SWとなる。2019年3月に日本での販売が開始された最新世代モデルの特徴は、クーペライクなファストバックスタイルを採用したこと。また、EMP2プラットフォームにアクティブサスペンションを組み合わせ、しなやかな乗り心地とダイナミックなハンドリングを両立している。

画像: 508:全長4750mm×全幅1860mm×全高1420mm、ホイールベース2800mm。縦長のデイタイムランプをはじめとした、現在のプジョーのラインナップのデザイン要素を最初に盛り込んだモデル。プジョーの市販車としては初となる電子制御式アクティブサスペンションを採用することで快適性、高い走行性能を両立。まさにフラッグシップに相応しいモデルに仕上がっている。(写真は508ブルーHDi)

508:全長4750mm×全幅1860mm×全高1420mm、ホイールベース2800mm。縦長のデイタイムランプをはじめとした、現在のプジョーのラインナップのデザイン要素を最初に盛り込んだモデル。プジョーの市販車としては初となる電子制御式アクティブサスペンションを採用することで快適性、高い走行性能を両立。まさにフラッグシップに相応しいモデルに仕上がっている。(写真は508ブルーHDi)

さらに2021年月にプラグインハイブリッド(PHEV)を追加。同時にグレードを「GT」に統一することで、508においてもパワー・オブ・チョイスを実現している。

用意されたパワートレーンは種類。1.6L直4ガソリンターボ、2L直4ディーゼルターボ、そして1.6L直4ターボ+モーター4基のPHEVだ。駆動方式はFFのみとなる。

エンジンの最高出力だけを比べれば、ガソリン車が180ps、ディーゼル車は177ps、PHEVが180psと差は少ない。しかしPHEVには110psのモーターが加わるので、動力性能を数値的に見れば、やはりPHEVが抜きん出る。

■508グレード&価格

・GT<FF、1.6L直4ターボ、133kW(180ps)/5500rpm、250Nm(25.5kgm)/1650rpm、8速AT>:540万8000円
・GTブルーHDi<FF、2L直4ディーゼルターボ、130kW(177ps)/3750rpm、400Nm(40.8kgm)/2000rpm、8速AT>:576万6000円
・GTハイブリッド<FF、1.6L直4ターボ+モーター、132kW(180ps)/6000rpm、【81kW(110ps)/2500rpm】、250Nm(25.5kgm)/1750rpm、【320Nm(32.6kgm)/500-2500rpm】、8速AT>:640万6000円
*【】はモーター

■508SWグレード&価格

プジョー508SWグレード&価格
・GT<FF、1.6L直4ターボ、133kW(180ps)/5500rpm、250Nm(25.5kgm)/1650rpm、8速AT>:567万9000円
・GTブルーHDi<FF、2L直4ディーゼルターボ、130kW(177ps)/3750rpm、400Nm(40.8kgm)/2000rpm、8速AT>:603万8000円
・GTハイブリッド<FF、1.6L直4ターボ+モーター、132kW(180ps)/6000rpm、【81kW(110ps)/2500rpm】、250Nm(25.5kgm)/1750rpm、【320Nm(32.6kgm)/500-2500rpm】、8速AT>:667万8000円
*【】はモーター

多人数乗車、大容量の荷室を備えた魅力的な2台──5008シリーズ/リフター

5008は、3列シートを擁する7シーターSUVだ。2017年9月に日本に上陸、2021年1月にマイナーチェンジが実施されている。パワートレーンは、1.6L直4ターボのガソリンと、2L直4ディーゼルターボの2機種。最高出力はガソリン車で180ps、ディーゼル車で177ps。

画像: リフター:全長4405mm×全幅1850mm×全高1880mm、ホイールベース2785mm。ボクシーなボディにSUV的な意匠を加味した個性派MPV。全長は4.5m以下に抑えられているものの、車内は大人3人が余裕を持って座れる後部座席や5名乗車時で597L、2名乗車時だと2126Lの容量がある広大な荷室を備える。さらにリアシート折りたたみ時の最大荷室長は1.88mと車中泊などにも適している。(写真はリフターGT)

リフター:全長4405mm×全幅1850mm×全高1880mm、ホイールベース2785mm。ボクシーなボディにSUV的な意匠を加味した個性派MPV。全長は4.5m以下に抑えられているものの、車内は大人3人が余裕を持って座れる後部座席や5名乗車時で597L、2名乗車時だと2126Lの容量がある広大な荷室を備える。さらにリアシート折りたたみ時の最大荷室長は1.88mと車中泊などにも適している。(写真はリフターGT)

どちらもFFであり、グレードも同じGTとなる。つまり、5008にもパワー・オブ・チョイスが適用されているのだ。ただし、価格はディーゼルの方が約37万円高くなっている。

リフターは2019年10月に先行モデルが日本に導入され、翌2020年11月よりカタログモデルの発売がスタートした。オフローダー的な雰囲気も身にまとうMPVだ。ミニバンのようなルックスでも、最低地上高が180㎜あり、電子制御のアドバンスドグリップコントールで悪路もそれなりにいけるのだ。

プラットフォームは5008などと同じEMP2を採用するが、日本導入モデルのパワートレーンは1.5L直4ディーゼルターボのみ。リフターにも新たなパワートレーンが追加されて、パワー・オブ・チョイスができるようになるのを期待したい。(文:鈴木ケンイチ))

■5008グレード&価格

・GT<FF、1.6L直4ターボ、133kW(180ps)/5500rpm、250Nm(25.5kgm)/1650rpm、8速AT>:498万9000円
・GTブルーHDi<FF、2L直4ディーゼルターボ、130kW(177ps)/3750rpm、400Nm(40.8kgm)/2000rpm、8速AT>:535万5000円

■リフター グレード&価格

・アリュール<FF、1.5L直4ディーゼルターボ、96kW(130ps)/1750rpm、300Nm(30.6kgm)/1750rpm、8速AT>:361万9000円
GT<FF、1.5L直4ディーゼルターボ、96kW(130ps)/1750rpm、300Nm(30.6kgm)/1750rpm、8速AT>:385万5000円

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