1980年代まで自動車メーカー各社が発売に向けて試行錯誤していたが、その市場を読みきれず市販化に至らなかったミッドシップスポーツカー。しかし、そんな中でトヨタが1984年に発売したのが、国産初のMRスポーツ「MR2」だった。今回はその魅力を4回に分けてお届けしよう。(GTメモリーズシリーズ第9弾「AW11 トヨタMR2」より一部抜粋)

実用性を犠牲にすることなく、スポーティな室内を実現した

MR2は、ミッドシップ2シーターの特徴を最大限に活かしたオリジナリティの高いスタイルが魅力だが、もちろんインテリアもそれに応じた工夫が随所に盛り込まれた。フロントにエンジンが無いことにより可能となった低いインストルメントパネルは、広々とした良好な視界と、快適なドライビングポジションを確保した。これはもちろん大きな利点となる部分だ。

スポーティな3本スポークのステアリングは、それだけでドライバーにやる気を起こさせる。タコメーターも大径で視認性が良い。

コクピットに座れば機能的な3本スポークステアリングホイールが適正な位置に配される。スポーティさを演出するようなスティックタイプシフトレバー、パーキングレバーも最適に配置し、ドライビングポジションは快適なものとなった。

スポーツカーでは犠牲となりがちなレッグスペースも余裕を持ったものとされ、ヒール&トゥなどの操作もし易いペダルレイアウトとなっている。コーナリング時の体を支える左足を安定させるフットレストも採用された。

「G-Limited」グレードには、新設計の7ウェイスポーツシートが採用された。これでスポーツドライビングの重要項目とされるシートのサポート性も十分なものとなっている。細かなところでは機能的なドアポケット一体式成形ドアトリム、独創的なデザインのメーターパネルが目を引く。

さらにシート後部の小物ラゲッジスペースは、フロントトランクやリアトランクと合わせて、優れたスペースユーティリティを確保した。当時必須とも言えたオーディオカセットテープや小物などの収納に便利なリアコンソールボックスも備えられた。時代を感じさせるものではあるが、ワンタッチオープンの灰皿も採用された。

シフトレバーは独特のスティック形状。パーキングブレーキレバーは、センタートンネルが高いことに合わせて直立する形となる。

1986年のマイナーチェンジでは、質感と使用性を向上

全体的な使用性、利便性の追求の表れとして、指先で操作可能なライト&ワイパースイッチ、当時はまだ高級車の装備とされていたパワーウインドー、ワンタッチでドアをロック、アンロックできる電磁式ドアロックなども装備されていた。室内にはフロントトランク、リアトランク、エンジンルーム、フューエルタンクの4つのオープナーを設定している。

1986年のマイナーチェンジではスーパーチャージドエンジンとともにTバールーフ車が設定され、人気を集めた。

オーディオも凝ったものだ。インストルメントパネル左右の上向きスピーカーに加え、シート下部に設置したウーハーにより、低音から高音までの幅広いオン起きを実現したフロント3ディメンションスピーカーシステムを採用していた。

マイナーチェンジを行った1986年には、スーパーチャージャー車の設定、足回りの強化などと合わせて内外装の仕様変更が行われている。

スポーティで開放感のあるTバールーフが大きな相違点となるが、それ以外もアップデートされた。ステアリングホイールのデザインや、シート地、及び内張りの材質変更等により、一層質感の高い内装となっている。新意匠のステアリングホイールの採用、プッシュボタン式ヒーターコントロールパネルを採用するなど使用性の向上も図られた。

ステアリングはスポークの金属部分がカバーされるなど、より質感を高めた。センターコンソール形状も変更されている。

This article is a sponsored article by
''.