およそ9年ぶりに、日産エクストレイルがフルモデルチェンジを果たした。内外装のデザイン、走行性能に関わるメカニズムなど、4代目の進化はすべてに「上質感」が追求されている。たとえ定番と言われた人気SUVでも、タフで先進的なだけでは生き残れない時代がやってきた。

コンパクトなのにゆとりたっぷりの新プラットフォーム

上質でありながらアウトドアも楽しめる本格SUVを目指した新型エクストレイルの開発に当たって、日産は「ヨンクのイメージを変える」という野望を掲げてきた。

画像: X e-4ORCEのインストルメントパネル。センターコンソールをブリッジ構造とするなど、洗練された中にタフなスピリットを漂わせるデザインだ。

X e-4ORCEのインストルメントパネル。センターコンソールをブリッジ構造とするなど、洗練された中にタフなスピリットを漂わせるデザインだ。

そのため新型エクストレイルでは、「上質で広々とした室内」「SUVの常識を変える俊敏かつ上質な走り」「SUVの走破性に意のままの走りをプラス」「ドライブをより快適にする先進装備」という4つのポイントにこだわりながら、煮詰められていったという。

キーとなるテクノロジーは3つ。新プラットフォームと日本初導入となるVCターボと組み合わされたシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」、そして4WDそのもののイメージを覆す「e-4ORCE」が挙げられている。

画像: ショルダーエリアのゆとり拡大、スライド量拡大など、優れた後席居住性を実現。写真は3列シート車。

ショルダーエリアのゆとり拡大、スライド量拡大など、優れた後席居住性を実現。写真は3列シート車。

新プラットフォームの特徴はコンパクト化された全長だ。ホイールベースは2705mmで先代と変わらないが、全長は30mm短い4660mmとされた。これにより最小回転半径は5.4m(先代比マイナス0.2m)に改善している。全高は20mm低い1720mmで、ワイド&ロー感が強いフォルムだ。

一方で室内空間の広々感は、大きくゆとりを増している。とくに後席は薄型シートの採用などとあいまって膝まわりの広さが拡大、前後スライド量は従来比+20mmの260mmが確保された。リアドアは開口部が広く90度開くので、お年寄りなどの乗り降りもラクになっているようだ。

静粛性とドライバビリティにこだわった新開発e-POWER

日産が世界に先駆けて開発した量産型可変圧縮比(VC)ターボエンジンと、新開発e-POWERのコンビネーションは、より力強く、静粛性に富んだ走りを実現している。

画像: 欧州向けでは「リニアチューン」と呼ばれる、感性と実際の加速感とをシンクロさせる制御が、日本のエクストレイル用e-POWERにも加えられている。

欧州向けでは「リニアチューン」と呼ばれる、感性と実際の加速感とをシンクロさせる制御が、日本のエクストレイル用e-POWERにも加えられている。

フロントモーターはノート比で出力は76%、トルクは18%向上した最高出力150kW/最大トルク330Nmを発生、さらに4WDモデルのリアモーターもノートで搭載されたものに対してほぼ2倍に近い100kW/195Nmというパフォーマンスを発揮する。

発電を担う1.5L 直43VCターボは、圧縮比を8~14まで自在に変化させることで、走行状況に合わせて排気量換算で1.5L~2.8Lに相当する最適化を行う。同時にエンジンの回転数変化と加速感をスムーズにフィットさせる「リニアチューン」(欧州仕様での技術名)などによって、美味しいところを常に気持ちよく使い切ることのできる、スマートなパワートレーンが実現した。

路面検知による発電制御などエネルギーマネジメントが最適化されているため、エンジンの作動頻度を低減。新プラットフォームによる優れた遮音性が、室内への音の侵入を徹底的に抑制している。

操ることが楽しくなるe-4ORCEと、ワンペダルドライブ

「まったく新しい4WD」を標榜する「e-4ORCE」は、市街地を中心とする日常生活から、時にワインディングでのスポーティな走り、あるいは雪道やオフロードといった非日常的シーンでも、あらゆる走行性能をレベルアップしてくれる。

画像: 路面と車両状況を瞬時に検証、タイヤの摩擦力を最大限束斬る方向で、前後モーターの駆動力と制動を精密制御するのが「e-4ORCE」の真骨頂。素直なハンドリング性能を実現している。

路面と車両状況を瞬時に検証、タイヤの摩擦力を最大限束斬る方向で、前後モーターの駆動力と制動を精密制御するのが「e-4ORCE」の真骨頂。素直なハンドリング性能を実現している。

システムは、各駆動輪のグリップ限界を算出すると、前後モーターと左右ブレーキを最適に統合制御するもの。4輪を制御するため、たとえば減速時には姿勢変化を抑制することも可能だという。フラットな姿勢でのブレーキングはパッセンジャーの快適性にもつながる。クルマ酔いの防止効果も期待できる優れものだ。

新型エクストレイルのe-POWERは、「AUTO」「SPORT」「ECO」「Snow」「Off-road」の4つのドライブモードを設定。電気モーターによるドライブ体験に、新鮮な歓びを感じさせてくれる。ワンペダルコントロールシステム「e-Pedal Step」を積極的に活用することで、さまざまな走り方を楽しむことができそうだ。

画像: AUTECHのインテリアは、上質な本革を採用。立体感のあるキルティング加工など、職人の技を感じさせるアレンジで、さらなる上質感を演出している。

AUTECHのインテリアは、上質な本革を採用。立体感のあるキルティング加工など、職人の技を感じさせるアレンジで、さらなる上質感を演出している。

採用される「プロパイロット」の豊富な機能も、見逃せない。ナビリンク機能、SOSコール機能付き緊急停止支援システム、プロパイロットパーキングなど、さまざまな意味でドライバーコンシャスな先進機能で、安心のドライブをサポートしてくれる。「ハローニッサン」で使いこなす対話型インターフェイスも、使いこなすのが楽しみな新装備のひとつだ。

スタンダードモデル以外に、タフギアイメージを強めた「エクストリーマー」や「AUTECH」もラインナップ。NISMOからもさまざまなパーツがリリースされる。7人乗り仕様の設定も合わせて、新型エクストレイルのグレードチョイスは、なかなかに悩ましいものになりそうだ。

■新型エクストレイル ラインナップ&プライス

◎2WD KR15DDT×フロント電気モーター/2列シート ※発売は2022年秋
S 319万8800円 
X 349万9100円 
G 429万8800円 
AUTECH 420万5300円 
AUTECH AdvancedPackage 484万6600円

◎4WD KR15DDT×前後電気モーター(e-4ORCE)/2列シート【3列シート】
S e-4ORCE 347万9300円 
X e-4ORCE 379万9400円【393万0300円】 
X e-4ORCE エクストリーマーX e-4OURCE 412万9400円【426万0300円】 
G e-4ORCE 449万9000円 
AUTECH e-4ORCE 446万7100円【459万8000円】 
AUTECH Adanced Package e-4ORCE 504万6800円

■新型エクストレイル G e-4ORCE 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1840×1720mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1880kg
●パワートレーン:直3 DOHCターボ+電気モーター×2
●エンジン総排気量:1497cc
●最高出力:106kW(144ps)/4400-5500rpm
●最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
●モーター(前)最高出力:150kW(204ps)/4501-7422rpm
●モーター(前)最大トルク:330Nm/0-3505rpm
●モーター(後)最高出力:100kW(136ps)/4897-9504rpm
●モーター(後)最大トルク:195Nm/0-4897rpm
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:18.3km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):379万9400円

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