2022年7月から、自動車の事故情報を記録するデバイス「EDR(イベントデータレコーダー)」の新型車装着が義務化。記録データの重要度が増していくなかで、抽出作業を行う「CDRテクニシャン」の需要も高まりつつある。さらに、そのスキルアップとビジネスチャンスの拡大に向けた、新たな取り組みも始まっている。

事故情報記録装置の装着が義務化

2021年9月30日「道路運送車両の保安基準及び道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の一部改正」が交付、即日施行された。これによって2022年7月1日(金)以降に発売の新型車から順次、「EDR(イベントデータレコーダー)」の搭載が、義務付けられる。

画像: EDRからデータを抽出する作業には、ボッシュが販売するCDR(クラッシュデータ・リトリーバル)ツールを利用する。その運用スキルを身に着け資格を認定するのが、トレーニングの目的だ。

EDRからデータを抽出する作業には、ボッシュが販売するCDR(クラッシュデータ・リトリーバル)ツールを利用する。その運用スキルを身に着け資格を認定するのが、トレーニングの目的だ。

EDRとは「車速、加速度、シートベルト着用等を記録する事故情報記録装置」のこと。その記録を専用の「CDR(クラッシュデータ・リトリーバル)ツール」で読み出して解析することによって、より精度の高い原因究明に役立てることができる。

抽出用のCDRツールを市販してきたドイツのサプライヤーBOSCH(ボッシュ)が、読み取りの専門家を「CDRテクニシャン」と名付け、資格制度として認定講習を始めたのが2021年11月だった。データの分析、レポート化を担当する「CDRアナリスト」とともに、刑事・民事係争における調査の要として活躍が始まっている。

バランスゲージを使った計測が役に立つ

一方で、EDRの車体整備における修理金額の推定、および中古車検査における修復歴判定への利活用などについては、「物理的な損傷個所や損傷範囲をどのようにして特定するか」などの課題が浮上している。同時に、EDRデータを使った公平性、透明性の高い事故解析をより普及させるためには、EDRを読み出せる拠点および人員の、全国規模での早期展開が必要だ。

画像: JARWAの公式HPでは、JARWAバランスゲージの有用性を紹介。物理的な損傷個所や損傷範囲をわかりやすく特定することで、修理金額の推定や中古車検査における修復歴判定などに利活用できるという。 jarwa.or.jp

JARWAの公式HPでは、JARWAバランスゲージの有用性を紹介。物理的な損傷個所や損傷範囲をわかりやすく特定することで、修理金額の推定や中古車検査における修復歴判定などに利活用できるという。

jarwa.or.jp

そうした課題を解決するためにボッシュは、正会員合わせ約30社、整備工場、車体整備工場などを一般会員とした約1,600工場のネットワーク「日本自動車車体補修協会(JARWA)」の監修による車体計測手法取得のメニューを追加した、新たなCDRテクニシャン認定トレーニングをスタートしている。

新メニューで使うのは、車体の歪みを計測可能なマルチタイプのボディ計測ツール「JARWAバランスゲージ」だ。トレーニングではツールを使った計測データの取得方法に加え、事故現場の写真データを指定の方法で取得するノウハウなどを学ぶことができる。主としては整備事業に携わっているプロフェッショナル向け、あるいはそこへの就職などを考えている人向けのメニューと言えそうだ。

いろいろな意味で、新たなビジネスチャンスにつながっていく可能性を秘めた新トレーニング。ボッシュは今後数年以内で、1000名規模のCDRテクニシャンを育成する計画を立てている。

【トレーニングの問い合わせ先】
ボッシュサービスソリューションズ株式会社 研修事務局
電話:03-5213-6657
メール:boschservicesolutions.jp@jp.bosch.com

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