ホンダは1999年のインサイトからハイブリッドシステムを導入、25年以上の知見を持ってるが、それを大いに活用して開発されたのが11世代目シビックに加わったe:HEVである。そしてそれに組み合わされているのは、このシビックから直噴化された2L直4エンジンとなる。(Motor Magazine 2022年9月号より)

操舵に対する反応が良く、クルマとの一体感も強い

電気モーターの出力も大幅に高められているが、こうした効率よりも感覚に重きを置いた制御ができたのは、エンジンの効率向上の賜物と言うべきだろう。実際、燃費も24.2km/Lと決して悪くない。ホンダのハイブリッドが新しい章に入った。そんな印象である。

画像: エンジンとモーターの連携により、駆動システムはEVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードがある。

エンジンとモーターの連携により、駆動システムはEVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードがある。

こんな具合で走りにフォーカスしたハイブリッド車に仕上がっているシビックe:HEV。その旨味を存分に満喫できるのは、優れたシャシ性能のおかげだ。

インテリジェントパワーユニット(IPU)を後席下に配置したことで、車両重量は増えたが重心は下がっている。ボディの補強、専用のダンパー、そして銘柄を変更したタイヤなどによって、フットワークはよりスポーティに、より質高く進化しているのである。

実際の印象としては、まず乗り心地が明らかに良くなっている。不整路面で上下に煽られるような動きが解消されて、しっとりと落ち着いた動きに終止する。

コーナーが連続するようなセクションを走らせても、操舵に対する反応が、より一体感を強めている。おそらくリアの追従性向上が、そうした印象に繋がっているのだろう。車重は増えているのに、むしろ軽快にすら感じられるのだ。

ホンダは将来の完全電動化を表明しており、こんな風にエンジン本体を進化させることができたのはギリギリ何とか間に合ったというくらいの話だったようだが、ともあれパフォーマンスとしても、そして走りの質や楽しさという面でも、ホンダとして今後、数年にわたって十分に戦っていけるだけのハイブリッドシステムが生まれたことは間違いない。

若いユーザーには、ターボエンジンと6速MTの組み合わせが人気だという新型シビック。このe:HEVは、走りの楽しさはもちろん燃費、環境性能まで意識に入れた大人の、けれど若い気持ちをもったユーザーが、ターゲットということになりそうだ。(文:島下泰久/写真:井上雅行)

ホンダ シビック e:HEV 主要諸元

●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm
●ホイールベース:2735mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1993cc
●最高出力:104kW(141ps)/6000rpm
●最大トルク:182Nm/4500rpm
●モーター最高出力:135kW(184ps)/5000-6000rpm
●モーター最大トルク:315Nm/0-2000rpm
●トランスミッション: 電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:24.2km/L
●タイヤサイズ:235/40R18
●車両価格(税込):394万0200円

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