トラブル続出で、ズルズルと順位を落とす
2人目のドライバーの走行も順調に進む。8周の走行の後にピットインすると、メカニックが「チェーンが緩んでいる」ことを発見。大急ぎでチェーンの緩みを修正。フレーム固定されるエンジンの位置をズラして修正する。10分もかからず、作業を終了。なかなか早い。
ところが3人目のドライバーが7周目で緊急ピットイン! なんとエンジンからマフラーへと続くパイプに亀裂が入っている。走行中、突然に爆音がしたので、驚いてドライバーがピットインしたという。二度目の緊急修理。それでも作業自体はスムーズに進み、10分ほどで終了。これも早い。だが、気がつけば順位は80位ほどに落ちてしまった。
その後は順調に走行。誰もスピンやコースアウトはしないし、タイムも揃っている。5人のドライバー全員の走行が終わり、二巡目の自分のドライブでは混雑も緩和しており、ようやく自分のペースで走れるようになった。うまい具合に、スリップストリームを使う相手も見つけて、自身のベストタイム、2分55秒436を出すことができた! 2021年よりも、わずかながらタイムアップを果たすことができたのだ。
その後も淡々とトラブルなく安定したレース展開が続くが、順位は70位台からなかなか上がっていかない。
そして、ゴールまであと1時間半ほどという終盤に三度目の緊急ピットイン。ドライバーから「振動がすごい」という指摘がありマシンをチェックすると、なんと前日に交換したばかりのリアスプロケットの歯がなくなっているではないか!
どうやらチェーンとスプロケットのかみ合わせが悪かったらしい。またも大急ぎで作業を開始。スプロケットの交換は、ドライブシャフトを抜くという面倒な工程があるため、15~20分ほども時間がかかってしまった。
それでも作業を終了して、最後のドライバーをコースに送り出す。そして、そこから先は、ノートラブルでゴール。チェッカーを受けた85台のうち、75番目でのゴールとなった。周回数は107周。
まあ、ビリから数えた方が圧倒的に早い。正直、褒められた順位ではないが、それでも5人のドライバーは大きなミスなく走り切れた。トラブルは不運だったけれど、もう少し準備に時間とお金をかければ次回は改善できるだろう。また、マシンを改良して、もう少しの速さを手に入れれば、もっと上の順位も狙えるはずだ。
何よりも「今年はもう少しマジメにやる」と心がけただけで、レース終了後の満足度がいつになく高まった。これに気づけただけでも、今回のレースは成功だ。まさに「遊びこそ真剣にやれ」というわけだ。(文:鈴木ケンイチ/写真:クラブレーシング)