どれだけ販売台数でSUVが圧倒しようとも、揺るぎない価値を示すのが911という存在である。ポルシェのプライドを築き上げたアイコンたるスポーツカーとともに、BEVも含めた多面的な戦略を展望する。(Motor Magazine2022年9月号より)

全てのラインナップの存在感も強化

そのような背景を備える911は、レーシングマシン用パワーユニットをベースとした仕様のエンジンが搭載された「もっともサーキットに近い存在」と言えるGT3シリーズもローンチを済ませるなど、2018年末に登場した現行9922型のバリエーション拡充が一巡、そろそろ「後期型」へ移行しようかというタイミングだ。

画像: 718 ケイマン GT4 RS。スポーツカーとしてのポテンシャルはリアエンジンよりミッドシップエンジンの方が高いという本質が追求されたモデル。だた序列は崩さないのもポルシェらしさ。パワースペックはきちんと抑えられている。(New 2021年11月17日 予約受注開始)

718 ケイマン GT4 RS。スポーツカーとしてのポテンシャルはリアエンジンよりミッドシップエンジンの方が高いという本質が追求されたモデル。だた序列は崩さないのもポルシェらしさ。パワースペックはきちんと抑えられている。(New 2021年11月17日 予約受注開始)

ターボ付きの水平対向4気筒エンジンがスタンダードとなって久しい718ボクスター/ケイマンは、前述のように次期型がピュアEVとなることが示唆される一方で、新たに開発された自然吸気式の水平対向6気筒エンジンを搭載するバリエーション拡充によって、改めて2ドアのスポーツモデルとして911シリーズに負けない存在感を発揮するようになっている点も注目に値する。

カイエンターボGTやマカンGTSなど、このブランドならではと思えるスポーツグレードが出揃ったSUV系モデルも、改めて注目を集めそうだ。大出力充電器の準備が揃わないと使い勝手が大幅に低下してしまう駆動用の大容量バッテリーを搭載するタイカンシリーズだが、22年44月にアウディとアライアンスを組んだ独自の150kW級充電器のネットワークを構築していくことを発表済み。これにより、今後は日本でも、ポルシェ発のピュアEVの使い勝手が大幅に向上するだろうということが期待されている。(文:河村康彦/写真:ポルシェAG、永元秀和、井上雅行)

■タイカン ターボS スポーツツーリスモ 主要諸元

全長×全幅×全高:4963×1966×1388mm
ホイールベース:2900mm
車両重量:2400kg
原動機種類:モーター×2基
最高出力:560kW(761ps )[オーバーブースト時]
最大トルク:1050Nm
駆動方式:4WD
一充電走行距離:430ー458km

■マカン T 主要諸元

全長×全幅×全高:4726×1927×16006mm
ホイールベース:2807mm
車両重量:1940kg
エンジン種類:直4 DOHCターボ
総排気量:1984cc
最高出力:195kW(265ps)/5000ー6500rpm
最大トルク:400Nm/1800ー4500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:4WD

■718 ケイマン GT4 RS 主要諸元

全長×全幅×全高:4456×1822×1267mm
ホイールベース:2482mm
車両重量:1490kg
エンジン種類:対6 DOHC
総排気量:3996cc
最高出力:368kW(500ps)/8400rpm
最大トルク:450Nm/6750rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:MR

■911 GT3 主要諸元

全長×全幅×全高:4573×1852×1279mm
ホイールベース:2457mm
車両重量:1493kg
エンジン種類:対6 DOHC
総排気量:3996cc
最高出力:375kW(510ps)/8400rpm
最大トルク:470Nm/6100rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RR

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