「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2代目のBMW 1シリーズだ。

BMW 1シリーズ(2011年:フルモデルチェンジ)

画像: 120i スタイル。キドニーグリルやホイール、それに室内にもホワイトをモチーフにした装備を採用している。

120i スタイル。キドニーグリルやホイール、それに室内にもホワイトをモチーフにした装備を採用している。

BMWの新型1シリーズがこんなに立派になっているとは、驚きを隠せなかった。前身である3シリーズコンパクトの頃は廉価版という印象が強かったが、「1シリーズ」と名乗った先代から「プレミアムコンパクト」というフレーズの似合うクルマになり、そして今回の新型はさらに上級移行した。とくに室内の雰囲気も、これが1シリーズかと思うほど上質になっている。

実車を目の前にすると、まずは怒ったような目つきの個性的なフロントマスクに目を奪われる。賛否両論あるようだが、個人的には悪くないと思う。また、新型1シリーズにはベーシックモデルと「スポーツ」、「スタイル」という3通りのデザインラインが用意され、選択肢の幅が広がった点も歓迎したい。

ボディサイズがひとまわり拡大されたのも新型1シリーズの特徴だ。シートに収まると、とくに横方向の余裕が増したことを実感するし、後席の足下スペースも拡大されている。ドアの開く角度が拡大したので、乗降性も向上した。後席に人を乗せる機会の多いユーザーにとってはありがたいポイントだ。やや狭い感の否めなかったラゲッジスペースも、従来車比30L増と不満のない容量が確保された。

走ってみての印象をひとことでいうなら「大人になった」。1シリーズらしいキビキビ感を損なわないながらも落ち着いた印象となり、静粛性も大幅に向上した。

ランフラットタイヤに合わせて最適にチューニングされた足まわりも、快適で滑らかな乗り心地を実現。もはや走りの質感たるや、現行3シリーズを超えて、5シリーズに近い高級車としての資質も身に着けたと思えるほどだ。全面刷新されたプラットフォームは、次期3シリーズを先行したものだが、出来は相当に良さそうだ。

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