今回はラインナップの中でもよりラグジュアリーなモデルに試乗し、レクサス流の上質さを味わった。(Motor Magazine 2022年10月号より)
インフォテイメントをブラッシュアップ
レクサスのSUVラインナップでもっともコンパクトなモデルとなるUX。2018年のデビュー以来80カ国以上で展開され、累計で約25万台を販売している。
レクサスとしては初めてBEVをラインナップしてきたモデルということもあり、パワートレーンの電動比率はすでに80%超、つまり全数の5台に4台以上がHEVかBEVと、先進的な選択がユーザーによってなされているのも特徴のひとつだ。ちなみに21年度の国内販売台数をみると、HEVのUX250hは車種名別ベストにも顔を出している。
登場から4年近くの時を経た今も、このように理想的な結果を残している中で迎えたはじめてのビッグマイナーチェンジは、なかなか難しかっただろうと想像する。それゆえか、昨今のレクサスデザインの礎ともいえるエクステリアには手を入れられていない。代わりにというわけではないだろうが、大きく変更されたのはインフォテインメントを含む内装とセーフティ系機能だ。
下山テストコースで走り込み。弱点を洗い出していく
センターディスプレイを10.3インチから12.3インチに大型化するとともに、タッチコントロールの採用に伴い操作性向上のためにディスプレイを手前側に設置。同時に従来はタッチパッドやオーディオコントロールを備えていたセンターコンソールに、シート空調のコントロール系を移設している。ダッシュ部分にあるアッパーの分割線やロアの形状も刷新するなど、大工事が施された。
これに併せてインフォテインメントシステムやセーフティシステムは最新世代に更新。スマートフォンの専用アプリと連携することでドアロックのオン/オフだけでなく、エンジンスタートもできるデジタルキーが採用された。
走りの面では下山テストコースでの走り込みによる改善のポイントを洗い出し、A・Bピラーやロッカー、バックパネルなどボディ下部を中心に20カ所、スポットの打点を追加。併せて足まわりはもとより、電動パワーステアリングやブレーキもチューニングを改めている。Fスポーツについては従来オプションだったAVSとパフォーマンスダンパーを標準装備化したほか、ランフラットタイヤの特性も見直されている。
一方でバージョンLはランフラットタイヤから一般ラジアルタイヤに履き替えて、乗り心地や静粛性の向上を図ったという。