「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホンダ フリード ハイブリッドだ。

ホンダ フリード ハイブリッド(2011年:初代 車種追加)

画像: フリード ハイブリッドのラインナップで最上位グレードとなる「ジャストセレクション」。6人乗りと7人乗りを設定。

フリード ハイブリッドのラインナップで最上位グレードとなる「ジャストセレクション」。6人乗りと7人乗りを設定。

続々と兄弟を増やしているホンダのハイブリッド車(以下、HV)。中でも、フリードは多人数での長距離ドライブも可能なミニバン、フリードスパイクは遊び心ある荷室を持つ、という性格が際立っていて、HV化の要望も高かった。今回、満を持して登場したフリードHVのJC08モード燃費は21.6km/L。ガソリン車は16.6km/Lだったから、このアドバンテージはかなり大きい。

その燃費を稼ぎ出すパワーユニットは、1.5Lのi-VTEC+IMAシステムだ。このエンジンはインサイトに搭載されていた1.3Lの拡大版。CR-Zの1.5Lエンジンとは別物で、フリード シリーズのHVは気筒休止するタイプだ。

いくらモーターのサポートがあっても、ミニバンだと少々カッタルイのでは?とやや心配だったのだが、「ECON」スイッチを押したエコ走行モードでも、走り出しから中間加速、高速巡航まで、普通に走るならストレスはない。もっとも今回の試乗は2名乗車だったから、フル乗車時や荷物満載のときはECONスイッチをオフにしないとキツいかもしれない。

フリードHV、フリードスパイクHVとも、ガソリン車とHVの間に乗り味の差はほとんどない。もちろんクルマの側では、駆動用バッテリーを搭載するためトレッドを広げたり、リアサスペンションのキャンバーを変更したり、約100kgの車両重量増加に対して超高張力鋼板の採用で対応したりしているが、運転感覚はほとんど変わらない。

つまり、HV独特のクセがない。これは歓迎すべきことで、ブレーキもハイブリッド特有の不快な回生フィーリングはない。ただ個人的には、ガソリン車で気になった、やや落ち着きのない動きや微振動が車両重量増の恩恵でもっと収まってくれるかと思ったのだが、意外にそうでもなかった。

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