欧州発表からわずか4年で全世界累計販売台数が100万台を超えたクロスオーバー SUVのTロック。国内でもインポートSUVで2位という人気モデルだ。そのマイナーチェンジしたTロックの進化を見る。(Motor Magazine2022年10月号より)

ハイパフォーマンスモデルの「R」グレードも導入予定

しかし今回、最大のニュースと言えるのは、すでに欧州市場向けにはラインナップされていた『R』のグレードが、日本向けにも加わることになったということだ。確かに、300psと別格の最高出力を発するターボ付きの2L直噴ガソリンエンジンを搭載し、それをシリーズ唯一の4WDシャシと組み合わせるこのグレードの走りは注目の的。残念ながらこちらはまだテストドライブの準備が整わなかったが、これは一刻も早く試してみたい一台だ。

画像: ボディカラーは8色、ルーフカラーはブラックとホワイトから選べる2トーンカラー。サイドモールやルーフレールなど各所にクロームを採用し、ラグジュアリー感を演出。

ボディカラーは8色、ルーフカラーはブラックとホワイトから選べる2トーンカラー。サイドモールやルーフレールなど各所にクロームを採用し、ラグジュアリー感を演出。

今回試乗したのは『TSIスタイル』で、もっともベーシックなグレードである『TSIアクティブ』に対し、リアビューカメラやLEDマトリックスヘッドライト、パワーテールゲートやインテリアアンビエントライトなどを標準装備したモデルである。パワートレーンは1.5Lのターボ付き直噴4気筒ガソリンエンジンを搭載し、前2輪を駆動する。

ランニングコンポーネンツに関しては従来型からの変更点はアナウンスされておらず、実際その走りのテイストに明確な違いは見いだせなかったが、相変わらずフォルクスワーゲンの作品らしいやや硬質かつ質実剛健とした走りの感触は健在だ。

直接比べれば、より設計の新しいゴルフ8にしなやかな乗り味やそつのないインテリアの雰囲気といった点でやや先行を許す印象こそあるのは否定できないものの、動力性能にしろフットワークのテイストにしろ、全般には「ゴルフのSUV」と受け取られても問題のないポテンシャルを発揮してくれたのがこの「Tロック TSIスタイル」の仕上がりでもあったのだ。

さすがに輸入SUVでトップレベルの販売力を示すだけのことはある実力車。改めて、そんな印象を新たにしたのがTロックというモデルなのである。(文:河村康彦/写真:佐藤正巳)

フォルクスワーゲンTロック TSIスタイル 主要諸元

●全長×全幅×全高:4250×1825×1590mm
●ホイールベース:2590mm
●車両重量:1320kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1497cc
●最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
●最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:15.5km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●車両価格(税込):417万9000円

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