GMと共同開発したバッテリー電気自動車のSUV
新型プロローグは、GMと共同開発が進められた、ホンダ初のBEV(バッテリー電気自動車=フル電動)のSUVだ。そのエクステリアとインテリアは、ロサンゼルスを拠点とするホンダのデザインチームが担当した。
クリーンでシンプルなサーフェスを備えた、モダンで新鮮なSUVとなったプロローグは、その外観と内部に自然の要素の調和をもたらし、「Neo-Rugged(ネオラギッド=新しい頑丈さ、とでも訳すべきか)」がデザインの方向性として造語された。
この言葉は、パノラミック ルーフや大型の21インチ ホイールなどのディテールに反映され、このモデルに機能的で洗練されたエクステリアを与えている。フロントフェイシアは、ホンダのコンパクトEVである「ホンダ e」の特徴的なエクステリアに影響を受けている。サイズは、全長4877×全幅1989×全高1643mm、ホイールベースは3094mm(編集部換算値)。
公開された車両のボディカラーは、カリフォルニアとネバダの州境に位置するタホ湖近くの、自然の美しさと色からインスピレーションを得たノースショアパールだ。また、山に積もった新雪のビジュアルをイメージし、専用のチャコールとライトグレーのインテリアカラーを採用している。
ハイブリッドカーからフルバッテリーEVへ。自然な移行が進む
ホンダ EVのブランド アイデンティティをさらに構築するために、車両後部の「Hマーク」バッジは、プロローグのモダンでクリーンなデザインを捉えた様式化された書体の「Honda」ロゴに置き換えられた。さらに、ホンダのグローバルEVモデルに合わせて、「e:」シリーズ名のバッジも付けられている。
3mを超えるロングホイールベースのおかげで、室内は2023年型のホンダ CR-Vより約20cm長く、約13cmも広い。乗員と荷物に十分なスペースを提供するインテリアでは、11インチのフルデジタル ドライバー ディスプレイと11.3インチのオーディオ/コネクティビティ ディスプレイを標準装備している。
プロローグEVは2024年に販売開始の予定だが、北米ホンダでは、まずCR-Vハイブリッドで顧客を引きつけ、そののちサイズがわずかに大きく、インテリアも広く、ハンドリングが優れたプロローグEVに移行させようと考えている。
ホンダの調査では、ハイブリッド車のユーザーはフルEVに移行する最初の顧客になり得るとしている。ホンダでは、2023年に販売するCR-Vのハイブリッド比率を50%に増やすことを計画している。2022年秋にCR-Vハイブリッドが登場するとき、カリフォルニア州などでは2年間の短期リースを提供する予定だ。
このユーザーは、2024年にプロローグEVが発売されたときに簡単に移行できる。こうして、ホンダはハイブリッド車の販売台数を増やして、将来のEV顧客ベースを拡大していく。
ホンダが目論む「電動化展開」のスケジュールが見えてきた
2050年までにすべての製品と企業活動でカーボン ニュートラルを達成するという世界的な目標に向けて、ホンダは2030年までに世界で30種の新しいEV を導入し、世界で200万台を販売するという。
北米では、ホンダは、2030年までに以下のような3つの初期段階に基づいて、EV導入の積極的なタイムラインを提示し、最終的には2040年までにゼロエミッションの自動車販売100%の達成を目指す。
2024年:GMと共同開発したプロローグEVを発売
2026年:ホンダが北米で生産する「e:アーキテクチャー」ベースのホンダ車の販売を開始
2027年:GMと共同開発し、ホンダが北米で生産する手ごろな価格のEVの新シリーズを販売開始
なおホンダは最近、北米市場向けのホンダとアキュラのEVモデルに電力を供給するリチウムイオン電池について、米国で生産する合弁会社を設立することで合意した、と発表している。