2019年に登場したBMWの旗艦SUV、X7がフェイスリフトを受けた。BMWの定義ではLCI(ライフ サイクル インパルス)であるが、結論から言えば、今回の内容はフルモデルチェンジと言えるのではないか、と思えるほど大きな進化を見せていた。(Motor Magazine2022年11月号より)

より威厳を増したエクステリアの造形

X7をはじめとする、BMW Xシリーズの生産が行われているアメリカ サウスカロライナ州スパータンバーグ工場近郊で新型X7の試乗会が行われた。そこに現れた新型X7は、「フォーアイズ(4眼)デザイン」と呼ばれる文字どおり新しい表情を持っていた。

画像: デイドライビングライトとヘッドライトからなる左右4本の水平スリットは新型7シリーズにも似たデザインだ。

デイドライビングライトとヘッドライトからなる左右4本の水平スリットは新型7シリーズにも似たデザインだ。

さらに縦横にひと回り大きく、垂直にそそり立ったキドニーグリルはアイコニックグロー、すなわ
ち照明付きである。一方リアは車幅いっぱいに伸びたクロームラインの両側に3Dデザインのテール
ライトがレイアウトされている。

BMWはこのエクステリアデザインで、3列シートのビッグSUVとしてはアウディやメルセデスより後発となるX7にもっと威厳を与えようとしている。

ボディサイズは全長5181×全幅2000×全高1835mm、ホイールベース3105mmと大きな変化はないが、ひと回り大きくなった印象を与えており、BMWデザインの意図は成功したと言える。

MHEV化やADAS充実でさらに乗りやすく進化した

用意された試乗車は新たに設定されたX7 M60i。モデル名が示すようにパワートレーンはM社チューンによる4.4L V8ツインターボ(S58型)が搭載され、最高出力530ps、最大トルク750Nmを発生する。さらに8速オートマチックトランスミッションとエンジンの間には8.83kWと200Nmを発生するISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)が組み込まれるMHEVシステムを採用。

画像: 530ps/730Nmを発生する4.4L V8ツインターボはMHEV化によって市街地でもさらに扱いやすくなった。

530ps/730Nmを発生する4.4L V8ツインターボはMHEV化によって市街地でもさらに扱いやすくなった。

発表されたダイナミック性能は0→100km/h加速が4.7秒と車重が2.7トンへと増加したにもかかわらず従来モデルの数値を維持している。最高速度はリミッターにより250km/hに留まる。

インテリアもBMWの最新スタンダードへと一新された。ダッシュボードには12.3インチのインフォメーションモニターと14.9インチのタッチパネルからなるカーブドディスプレイが広がり、OSは最新のBMWオペレーティングシステム8を採用している。

スタートボタンをプッシュし、コンソール上の高価そうなクリスタルレバーでDレンジをセレクトしてスタートする。MHEVシステムの採用によってこれまでのV8ツインターボにはない低回転域でのブーストパワーを感じながら市街地を抜ける。

試乗コースは滞在ホテルのあるグリーンビルの中心からハイウェイ、そしてカントリーロードを含むおよそ80マイル(約128km)ほどのルートだ。市街地を抜けてハイウェイへ上がりアダプティブクルーズコントロールをオンにして時速70マイル(約112km/h)のイージードライブを楽しむ。

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