今回の記事は本田技術研究所の「協調人工知能(Honda CI)」を搭載した自動運転マイクロモビリティについてである。まだ試作初号機の段階だが、8年後の近未来に向けて「究極の乗り物」となる可能性を感じた。ガラケーからスマホへ変わっていったような革命が、自動車でも起きようとしているのかもしれない。

従来の自動運転車が「ガラカー」なら、ホンダの自動運転車は「スマートカー」

ホンダの「協調人工知能」は「Honda CI(Cooperative Intelligence)」という名前で、コアとなる2つの技術「意図理解・コミュニケーション技術」と「地図レス協調運転技術」を組み合わせたものである。

これらのテクノロジーのすごいポイントは、人間と同様に視覚情報や言語情報を元に判断・行動するシステムを採用しているということ。つまり、この技術が実用化されれば既存の道路インフラを変更することなく、自動運転社会を実現することが可能になる点で革新的なのだ。

自動運転に欠かせない2つのコア技術

「意図理解・コミュニケーション技術」は、人間のように言葉や身振り手振りを理解し、周囲の環境に合わせて、クルマ側が自ら考えたプランをユーザー側に提案するコミュニケーション技術。ちなみに、ホンダによればこの技術は世界初の画期的なものだそう。

意図理解・コミュニケーション技術人間のように言葉や身振りを理解し、自分で考え、プランを提案する
意図のキャッチボール機能ユーザーと言葉やジェスチャーでやり取りし、合流ポイントを理解する
対話によるユーザー特定機能合流時に、複数のユーザー候補の外見の違いを判断し、対話でユーザーを特定する
ユーザーとの交渉・提案機能周囲の状況を認識・学習し、危険な場所での合流を避ける代替プランを提案する

現在、世界で導入を進められている自動運転システム(自動運転レベル4より上の技術)は、クルマが高精度の3次元マップを読み込み、様々なセンサーやカメラと組み合わせることで実現している。しかしHonda CIの「地図レス協調運転技術」は高精度マップを必要とせず、車体に搭載されたカメラで周辺環境を立体的に認識し、目的地まで安全を維持しながらの自動走行を可能にする高度な技術を実現しているのだ。

地図レス協調運転技術高精度の3次元地図に依存せずに周囲の環境を把握し、安全に自動走行する
リアルタイム道路構造理解機能(公道)カメラからの画像情報のみで、交差点やカーブなどの環境、歩行者などを認識し、安全な走路を素早く理解し、走行する
空間認識・走行マップ高速変換機能(公開空地)車道のように明確な区画線が存在しないオープンスペース(歩道や自転車レーンなど)で、安全な走路を理解する
人・環境協調・行動計画機能その場その場の環境を考慮し、目的地まで安心・スムーズに移動できるルートを決める

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