前回試乗した2.5Lエンジン+2モーターのハイブリッドモデルに続き、今回は2.4Lターボ+モーターの「トヨタ クラウン クロスオーバー RS(TOYOTA CROWN CROSSOVER RS)」に試乗。やはり本命はこちらだった。

ターボとモーターがいい仕事している

前回試乗した2.5L NAエンジン+2モーターの「クラウン クロスオーバーG」に少し不満が残ったため、2.4Lデュアルブーストハイブリッドシステムを搭載したRSに期待していたのだが、先に結果を書くと、RSは期待を上回っていた。

デュアルブーストハイブリッドシステムは、2.4Lターボエンジンとモーターを直結させ、さらにリアにeAxleと呼ぶ大型モーターを搭載させている。

最高出力は272ps/6000rpm、最大トルクは460Nmを2000rpmから発生させる。これにフロント82.9ps/292Nm、リア80.2ps/169Nmを発生するモーターを搭載する。ちなみにシステム最高出力は349psだ。実際に走るとドライバーの意志に素早く反応し、とても扱いやすくワインディング路に持ち込んでも気持ちいいドライブフィールが味わえる。これはトヨタ初採用となるマルチリンクリアサスペンションの効果も大きい。

駆動方式は、E-Fourと呼ばれる電気式4WD。これは前後トルク配分を状況に合わせ0:100〜20:80に可変させることができる。ただしトランスミッションは6速AT。これはぜひとも多段化してほしい。

画像: SPORTやSPORT+モードを選び、パドルシフトを駆使することでワインディングロードを痛快に駆け抜けることができる。

SPORTやSPORT+モードを選び、パドルシフトを駆使することでワインディングロードを痛快に駆け抜けることができる。

試乗後、クラウンの本命は2.4Lターボ車で、パワートレーンもこれ1本に絞った方がよかったのではないかと思い、開発者に聞いてみると2.5Lモデルが必要な理由として「価格差」と「燃費」を挙げていた。

確かに2.5Lエンジン車のXが435万円〜、RSが605万円〜と170万円の価格差がある。一方のWLTCモード燃費にしても、レギュラーガソリン仕様のXが22.4km/L、プレミアムガソリ仕様のRSが15.7km/Lと6.7km/Lの違いがある。燃費だけでなく使用するガソリンの種類によりランニングコストの差は大きくなり、これも2.5Lモデルの存在理由なのだという。

2.5L自然吸気エンジンと2.4Lデュアルブーストハイブリッドシステム。この2モデルの性格は大きく異なり、この選択肢を用意していることが新型クラウンの特徴なのだが、私ならRSを選ぶ。(写真:井上雅行)

トヨタ クラウン クロスオーバーRS アドバンスド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4930×1840×1540mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1920kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+2モーター
●総排気量:2393cc
●最高出力:200kW(272ps)/6000rpm
●最大トルク:460Nm/2000-3000rpm
●モーター最高出力:前61kW(82.9ps)、後59kW(80.2ps)
●モーター最大トルク:前292Nm、後169Nm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:電気式4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●WLTCモード燃費:15.7km/L
●タイヤサイズ:225/45R21
●車両価格(税込):640万円

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