ラグジュアリーSUVの先駆者であるベントレー ベンテイガにのEWBが登場した。最高のドライバーズカーであるというベントレーの基本を守りつつ、リムジンに求められる性能も併せ持つというニューフェイスである。(Motor Magazine 2022年12月号より)

最先端装備で標準車並みのドライバビリティを実現

カナダ バンクーバーで初めて対面したベンテイガEWBは、一般的なロングホイールベース版に比べると不思議なほどデザインに「間延び感」がない。この点をエクステリア デザイン マネージャーのクリスピン・マーシュフィールド氏に訊ねると、こんな答えが返ってきた。

「当初はホイールベースを200mmほど延長する案もありましたが、これだとどうしてもデザインが間延びしてしまうので、検討の結果180mmとしました。さらには、ホーンチライン(リアドアの途中から跳ね上げられるように描かれたベントレー伝統のキャラクターライン)の位置と角度を見直してバランスを整えています。また、ベンテイガはもともとフロントウインドウとテールゲートの傾斜がきついので、これも間延び感を防ぐ上で効果がありました」

EWBの変更点はこれだけに留まらない。ベンテイガ初の4WS採用に加えて、EWB は現状V8ツインターボエンジンのみだが、標準ホイールベースのV8モデルではオプションだったアクティブアンチロールバー「ベントレーダイナミックライド」を装備。

また、4シーター版では「エアラインシートスペシフィケーション」という快適性の高いシートをオプション設定したほか、同じく快適性を高める目的で静粛性の向上やサスペンションの再チューニングなどを行ったという。

画像: 上質なウッドやレザーをふんだんに使ったインテリアのトリムのパターンは、なんと240億とおりの組み合わせが用意されている。

上質なウッドやレザーをふんだんに使ったインテリアのトリムのパターンは、なんと240億とおりの組み合わせが用意されている。

試乗してまず印象に残ったのは、足まわりの感触がよりソフトになったこと。とりわけ後席での快適性向上が顕著で、驚くべきことにスポーツモードを選んでもほとんどゴツゴツ感が伝わらなくなった。静粛性の改善も明らかで、ゴーッというロードノイズが影を潜め、路面によってサーッという軽い音が耳に届く程度だった。

もっとも、これだけサスペンションがソフトになったのに、ハンドリングの反応が鈍くなったり、正確さが損なわれていなかったのは、さすがベントレーとしか言いようがない。聞けば、エアサスペンションとダンパーの設定は低速域で快適性重視とする一方、車速が上がるにつれてバネレートや減衰率を引き上げていくとともにアクティブアンチロールバーの設定を見直すことで、標準ホイールベースと遜色のないハンドリングを実現したという。

もちろん、後席の居住性は大幅に向上しており、足を伸ばしてゆったりと寛げる姿勢がとれる。まさにいいこと尽くめのベンテイガEWB、ベントレーではベンテイガ全体の半分程度を占めると予想しているそうだ。(文:大谷達也/写真:ベントレーモータージャパン)

ベントレー ベンテイガ EWB アズール 主要諸元

●全長×全幅×全高:5305×1998×1739mm
●ホイールベース:3175mm
●車両重量:2514kg
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:404kW(550ps)/5750-6000rpm
●最大トルク:770Nm/2000-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・85L
●WLTCモード燃費:−km/L
●タイヤサイズ:285/40R22
●車両価格(税込):3108万円

This article is a sponsored article by
''.