いま日本国内で購入できるBEV(電気自動車)の中から、もっとも魅力的なクルマを決める「BEVオブ・ザ・イヤー 2022」を開催。本誌お馴染みの執筆陣+編集長が採点。No.1を決定する。今回は第8位に選ばれたアウディ eトロン GTと、第9位のポルシェ タイカン シリーズへの「称賛コメント」をお伝えしよう。(Motor Magazine 2023年1月号より)

第8位アウディ eトロン GT:スタイリングも走りも魅力

画像: 高性能なRS eトロン GTは2モーターの4WDで646psを発生する。

高性能なRS eトロン GTは2モーターの4WDで646psを発生する。

岡本幸一郎さん(2位):BEVかどうか以前に、とにかく1台の高級GTとして、あまりに魅力的な存在だ。まずはスタイリッシュさの際立つ容姿にホレボレ。流麗なラインとドアミラーに映るリアフェンダーのふくらみが忘れられない。それでいて4人が不満なく乗れる居住空間がちゃんと確保されていることにも感心した。走りの仕上がりも絶品で、極めてダイナミックかつインテリジェンスが感じられた。そのあたりはBEVだからこそここまで実現できたに違いない。

石井昌道さん(4位):運動性能の高さやスーパースポーツ的なステアリングフィールなど走りの良さが光るが、乗り心地も驚くほどいい。音や振動が少なく、動的質感も高いBEVだから、ロングドライブでも疲れない。GTとしての資質が高いのだ。

こもだきよしさん(4位):アウディeトロン GTとポルシェタイカンはBEV専用のJ1パフォーマンス プラットフォームを使う兄弟だ。どちらも大容量のバッテリー、高出力のモーターにAWDを組み合わせて強烈な加速力を体験できる。少し後から登場したせいか、eトロン GTの方がドライバーの操作に対してマイルドに反応し、乗り心地もまろやかだから多くの人に受け入れられやすい。

島下泰久さん(5位):まず魅了されたのはその外観。低いだけでなくロングホイールベースにショートオーバーハングのプロポーションは精悍で、まさにアウディの新境地と言える。前車軸にエンジンをオーバーハングさせて搭載する内燃エンジンのアウディでは、このデザインは不可能。前後輪のグリップバランスが秀逸で、ゆえに至極快適なのに楽しめる走りともども、なるほど、アウディはBEV化に進むべきだと大いに実感させた1台である。

第9位ポルシェ タイカン シリーズ:BEVでもポルシェはポルシェ

画像: ポルシェ タイカン。

ポルシェ タイカン。

竹岡 圭さん(1位):「これはポルシェだ!」と乗った瞬間思いました。高速の伸びを2速ギアをつけることでカバーし、800Vシステムで回生力を目一杯高めてブレーキを強化。専用設計の強みを生かし、床下に効率よく電池を敷いて下回りの剛性を稼ぎ、981型ボクスタースパイダーよりもさらに低重心を実現。BEVがスポーツカーに向いていることを知らしめてくれたモデルです。

河村康彦さん(4位):シャシ性能のあまりの高さに惹かれての選出したのがこのモデル。クルージング時のフラット感の高さは「これまでにどんなモデルでも経験したことのないレベル」だし、コーナリング時の低重心感も「もしかしたら同じポルシェ車でも911以上ではないのか!?」と驚愕したもの。そもそも、「4ドアのスポーツカー」はこのブランドがかねてから夢として来た存在だが、となればそれをすこぶる高い次元でついに体現させたのがこの1台だ。

大谷達也さん(5位):2023年モデルから足まわりの設定ががらりと変わった。しなやかな乗り心地になるとともに、ステアリングフィールが大幅に改善され、理想的な高性能BEVに近づいた。

千葉知充さん(5位):タイカンはコロナ禍前に開催された国際試乗会から取材しているので、導入当初からとくに注目していた。プレスカーが用意されるやいなや1000kmロングドライブを敢行、さらにはクロスツーリスモ導入時もいち早く取材した。そしてどのモデルでも感じたことは、ポルシェらしさに溢れているということ。それはサーキットから普段使いまで完璧にこなせるBEVだということだ。グローバルでは累計生産台数10万台を超え、911に並び、ポルシェのアイコンとなる日も近いかもしれない。

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