ロータリーの「R」×「EV」、そしてさらに特別な「Edition R」を設定
R-EVに搭載されるリチウムイオンバッテリーの総電力量はBEV仕様車のほぼ半分となる17.8kWh、電池だけでの走行距離は85kmとされている。これにロータリーユニットが生み出す電気をプラスことで、さらなる長距離ドライブを可能にする。
実質的なレンジもまだ発表されていないものの、タンク容量がMHEVモデルとほぼ同様の50L確保されていることを鑑みるに、かなりの航続距離が期待できそうだ。普通充電はもちろん急速充電にも対応しており、高速道路を使った移動でも「実用性」が高い。
走行モードは「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」を備え、ドライブコンディションに合わせてチョイスできる。1500Wの給電機能も備えているので、災害時などにも活躍してくれそうだ。
Brussels Motor Showではさらに、R-EVの魅力をわかりやすくアピールする特別仕様車「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV Edition R」が発表された。エクステリアカラーはブラックを基調に、ルーフサイドに質感の高いマローンルージュメタリックを配する。この差し色のアレンジは、マツダ初の乗用車である「R360クーペ」のル―フ色をモチーフとしているという。
インテリアでも「専用」の雰囲気が演出されている。フロアマットにはローター形状のバッヂを、シートのヘッドレストには同じくローター形のエンボス加工といった専用アレンジを施す。
歴代RX-7をリアルタイムで見てきた世代にとっては、ロータリーエンジンは「飛び切り刺激的だけれど燃費がとても残念なスポーツユニット」というイメージが強い。けれどR-EVは新しい時代の「マツダらしさ」を実現するために、その才能を有効活用している。
ドライビングの醍醐味を見失うことなく、地球・人にやさしい技術を生かすことにこだわり続けているマツダが、隔世の観がある覚醒版ロータリーエンジンでどんなプラグインハイブリッドを作り上げるのか・・・日本への「凱旋帰国」が楽しみだ。