2018年に登場したアウディの電動SUV、eトロン/eトロン スポーツバックがフェイスリフトを行い、併せて車名が「Q8 eトロン/Q8 eトロン スポーツバック」に変更された。このカテゴリーの先駆者として、さらに完成度を高めた改良版Q8 eトロンに試乗した。(Motor Magazine 2023年3月号より)

フルサイズSUVとは思えない軽快なハンドリングを発揮

もちろん、エクステリアデザインもタッチアップされ、シングルフレームグリルにある4リングはプラスティック製のフラットな形状に、そしてハニカム構造のダミーグリルが採用された。またドイツメーカーがなぜか嫌っているスマートなリアビューカメラが古典的なバックミラーに代わってようやく採用された。

画像: スポーツバックもSUVと同様の変更点だが、ボディ形状の違いにより、Cd値は0.24とSUVよりもさらに小さくなっている。

スポーツバックもSUVと同様の変更点だが、ボディ形状の違いにより、Cd値は0.24とSUVよりもさらに小さくなっている。

一方リアエンドはeトロンロゴのエンボス加工されたバンパーそしてディフューザーを含めリアフィニッシャーがまったく新しいデザインになった。また小さな部分だがBピラーに新たにモデル名がプリントされている。

アクセルペダルを踏み込んですぐに感じたのはやはりパワーの増加である。空車重量2.6トンにもかかわらずBEV独特の身体をおいて置かれるような加速感が襲ってくる。

山間部のワインディングロードに入るとセンター付近から、ダイレクトで切れの良いステアフィールに気づく。さらにフロント足まわりのコントロールアームブッシュの硬度をおよそ50%上げた結果、切り込むとスパッとノーズを向けるさまは全長4.9mのフルサイズSUVとは思えないほどに軽快である。

さらに路面からのフィードバックも確かでコーナーでは正確なライントレースが可能だった。加えて2m近い車幅にもかかわらず見切りの良い視界を持つボディにより狭い峠道も苦にならい身軽さ、スポーティなハンドリングを発揮する。またオプションの22インチ扁平タイヤにもかかわらず、標準装備のエアサスペンションはフラットで快適な乗り心地を提供していた。

フェイスリフトを受け名前も変わったアウディQ8 eトロンシリーズはこのカテゴリーの先駆者らしい完成度の高いフルサイズ電動SUVであった。ニューQ8 eトロンの価格は50eトロンSUVのベースモデルが7万4400ユーロ(約1057万円)で、まもなくヨーロッパで発売が開始されるが、日本市場への発売時期や価格はまだ発表されていない。(文:木村好宏/写真:アウディAG)

アウディ Q8 50 eトロン クワトロ主要諸元

●全長×全幅×全高:4915×1937×1633mm
●ホイールベース:2928mm
●車両重量:2510kg
●モーター:永久磁石同期電動機×2
●モーター最高出力:250kW(340ps)
●モーター最大トルク:654Nm
●バッテリー総電力量:95kWh
●WLTPモード航続距離:4910km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/55R19
*EU準拠

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