現行モデル発表日:2017年10月16日
車両価格:874万円〜999万円
バッテリー容量もモーター走行の範囲も増えた
バッテリー容量が約60%増えて、EV航続距離も約2倍に伸びたXC60のPHEV。導入されるグレードも従来のT8からT6に変更されている。ちなみにT8とT6の違いは搭載する2L直4ターボエンジンの最高出力&最大トルクで、前後モーターの最高出力&最大トルクに違いはない。
駆動用リチウムイオンバッテリー容量は、従来の10.4kWhから18.8kWhに増え、充電した電力使用時の航続距離も39.8kmから81km(WLTCモード)へと伸び、より充電することでPHEVのメリットが感じられるようになったのもこのモデルの魅力を高めている。
そのパフォーマンスの高さは、スペックシートを確認してなんとなくは理解していたが、実際に10日間約800kmにわたる試乗をするまでは、これほどまでとは思っていなかった。明らかにエンジンよりモーターが主役級の活躍をしているのである。
今回の試乗中は、チャンスがあれば充電器に繋ぎできるかぎり充電することでPHEVのメリットを最大限に活用した。実際に、10日間のテスト期間中、5回満充電、これで81km×5回=405kmもの距離を電気のみで走るという計算ができるのだ。
もちろん走行状況によっても変わるので、実際に405km走れるわけではないが、テスト中は、メーター内に航続距離820km、平均燃費17.8km/Lとカタログ値を超える数字が表示されることもあった。これも机上での計算だが、これだと満タンで1263km(17.8km/L×71L)の航続距離が可能となる。この足の長さはディーゼルエンジンをも凌ぐ、実に魅力的なものだ。
このセグメントのSUVとして、総合力はトップクラス
さらに「OK、Google」で起動するGoogleアシスタントも新しいXC60の魅力を高めている。これを使った音声操作機能はとても便利である。ドライブ中、ずっとGoogleと対話ができるのでまったく飽きない。またADASも、実に細やかにドライバーをアシストしてくれる。これもボルボの安全哲学がよく現れているところである。
このセグメントのSUVの中では総合力はかなり高い。トップクラスだと言っていい。電動化されているXC60は、MHEVやPHEVが揃うが、モーターを主役にして走りたいならリチャージT6を選択するのがベストだろう。
ボルボXC60は、MHEVの「B5」とPHEVの「B6」のふたつのパワートレーンはそのままに、、2022年7月の仕様変更でグレードラインナップを最上級グレード「アルティメット」と充実装備「プラス」を基本とする構成に変更した。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)
ボルボ XC60 リチャージプラグインハイブリッド T6 AWD 主要諸元
全長:4710mm
全幅:1900〜1915mm
全高:1660mm
ホイールベース:2865mm
車両重量:2100〜2180kg
エンジン:直4DOHCターボ+モーター
総排気量:1968cc
最高出力:186kw(253ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm/2500-5500rpm
モーター型式:前T52、後TZ220
最高出力:前52kW、後107kW
最大トルク: 前165Nm、後309Nm
バッテリー容量:18.8kWh
EV走行換算距離:81km
駆動方式:4WD
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
タイヤサイズ:255/45R20
車両価格:874万円〜999万円