EV走行レンジの拡大などエフィシエント性能も向上
走行性能のブラッシュアップは、オンロード性能、とくにロングツーリング時の優れた快適性を磨くとともに、オフロード走行時のキャパシティアップを目指している。
リバウンドとコンプレッションの減衰を別系統化した新しいショックアブソーバによって、あらゆるステージでのパフォーマンスを最適化している。とくにピッチ&ロールのサポートを精密制御することで、低速域での快適性を保ちながらも、ダイナミック性能の向上が著しいという。
2チャンバー×2バルブテクノロジーを備えた新しいPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネジメント)を装備すると、さらにポルシェらしいドライビングエクスペリエンスを存分に味わうことも可能だ。ドライビングの精度そのものを高め、無駄な動きを抑えた軽快なフットワークが期待できる。ノーマル/スポーツ/スポーツ+のドライビングモードも、味付けの差別化がより明確になっているようだ。
欧州市場向けには3つの異なるパワートレーンが用意される。4L V8ツインターボエンジンに代わる最新の2.9L V6ツインターボは、新しい「カイエンS」に設定。最高出力は従来比+34psの474psを発生、最大トルクも50Nm向上の600Nmに達している。カイエン、カイエンクーペともに、0→100km/hは4.7秒、最高速度は273km/hとなっている。
3L V6ターボ仕様も、それぞれ13ps増の353ps、50Nm増の500Nmを発生した。このユニットは、強力な電気モーターと組み合わせて「カイエンEハイブリッド」にも採用される。最大で176psのアシストを受けて、最高出力は470psまで引き上げられた。
注目すべきは、ハイブリッドモデルのバッテリー容量が、従来の17.9kWhから25.9kWhに拡大されていること。WLTPモードでのEV走行レンジは市街地で77-90kmに達するという。11kWのオンボードチャージングシステムを備えることで、充電速度もポテンシャルが高まるなど、エフィシエント面での性能向上も図られた。