2023年4月26日、ホンダは電動化を含む企業変革に向けた取り組みについて説明会を開催した。収益体質の改善から、半導体やバッテリー、電気自動車(EV)、ソフトウエアについてなど内容は多岐にわたるが、ここでは4輪のEV事業を中心に概要を紹介しておこう。
EVスポーツモデルの開発は中止されてはいない!
ここで気になったのは、昨2022年の会見で発表された「EVスポーツモデル」のことだ。今回の会見では、まったく触れられなかったので「ホンダはEVスポーツモデルの開発は中止したのか?」と思われたのだが、ホンダ関係者によると「今回は実用車的な話が中心だったので取り上げなかったが、開発は進んでいる」とのことだった。ホンダのEVスポーツモデルに期待している人は、まずはひと安心といったところだろう。
2020年代後半以降の話になるが、大容量で高出力なEV向けの液体リチウムイオン電池はGSユアサとの合弁会社で開発していく。一方、半固体電池はEVバッテリー研究開発会社のSESと共同開発、そして全固体電池は独自開発を進めていく。
ソフトウエアでは、ホンダ独自のビークルOSを開発し、2025年に北米市場へと投入する中大型EVからの採用を目指していく。
グローバルブランドスローガンの再定義
100年に1度の大変革期に、「ホンダのありたき姿、真に実現したいこと」、そして「提供価値」をいま一度明確にする必要があると考え、グローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams(夢の力)」が再定義された。
「How we move you.(あなたを動かす)」という副題や、「Create(創造)」「Transcend(時間や空間といった、さまざまな制約から人を解放する価値)」「Augment(人の能力と可能性を拡張する価値)」という言葉が付加された。
ホンダの三部社長は、「変革」を合い言葉に「夢」を追い続けていくという。「夢の力で、あなたを動かす」と謳う、これからのホンダに期待したい。