2023年5月24日、ホンダは四輪モータースポーツ活動に関する記者会見を開いた。そのなかで2026年のF1にパワーユニットサプライヤーとして復活を果たすことを表明した。F1エンジンを供給するのは、今年2023年シーズンで好成績をおさめているAston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(アストンマーティンF1チーム)だ。

ホンダF1エンジンはアストンマーティンチームに供給される

2026年の新レギュレーションが施行されるF1に臨むために、ホンダはパワーユニットの供給先にアストンマーティン アラムコ コグニサント フォーミュラ ワン チームを選択した。

画像: アストンマーティン アラムコ コグニサント フォーミュラ ワン チームの2023年マシン(AMR23)

アストンマーティン アラムコ コグニサント フォーミュラ ワン チームの2023年マシン(AMR23)

アストンマーティンのF1チームは、2023年のF1開幕戦後から2戦連続で表彰台を獲得する好成績をおさめている。アストンマーティン アラムコ コグニサント フォーミュラ ワン チーム会長のローレンス・ストロール氏は今回の記者会見で、現在のパワーユニットサプライヤーであるメルセデスに敬意を表すと共に、ホンダとHRCに対して歓迎の意を示した。

またアストンマーティン パフォーマンス テクノロジーズ グループCEOを務めるマーティン・ウィットマーシュ氏は「我々のF1における野心的な計画にとって、ホンダとのワークスパートナーシップはジグゾーパズルの最後のピースのひとつです」とコメントしている。そしてマーティン氏は、自身のキャリアで長い間ホンダと関わる機会に恵まれてきたこと、そして再び2026年からホンダと共に参戦することを大変嬉しいと語った。

今回のホンダのF1参戦は「エンジン供給」という形。そのためF1パワーユニットの開発とレース参戦・運営の指揮は、2022年からホンダのモータースポーツ活動の全てを担っているホンダレーシング(HRC)によって行われる。

「初戦から勝ちにいくつもりで臨みます」

ホンダの考えるF1参戦の意義は、技術と人を育てることだと三部社長は語った。

画像: 写真の人物は、三部敏宏氏(本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 )

写真の人物は、三部敏宏氏(本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 )

F1で勝利を収めるには、圧倒的な技術力とそれを生み出す人材が不可欠だ。再び参戦することは、それらを育てることに加えて、F1で培われた技術をやがてホンダの量産車へとフィードバックするということ。2026年以降の新レギュレーションの施行による参戦によって、ホンダが世の中にとってサステナブルな存在となり、電動化技術を促進させるプラットフォームになることを目標にしている。

2023年4月にホンダが開催したビジネスアップデートでは、これまであったブランドスローガンに「How we move you」を付け加えた。この「move」には移動する・モビリティという意味に加えて、人の心動かす・感動するという意味が込められている。

今回のF1参戦表明で三部社長は、2026年のF1参戦の初戦から勝ちにいくつもりだという意気込みを示し、さらに、ホンダの電動技術は世界に誇るものだと語っている。またHRCの代表取締役社長 渡辺康治氏によると、参戦までの3年間で、アストンマーティンチームへ供給するエンジン開発を進めていくという。

ホンダにとってF1という舞台はとてもよく似合う。そこに主役が復帰するのだから、これほど楽しみなことはないだろう。

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