ヒョンデは、走行時にCO2を出さないZEV(ゼロエミッションビークル)のみを現在日本へ導入している。その主力モデルが今回取り上げたBEVのIONIQ5である。ちなみにもう1台は、FCEVのNEXOだ。世界中でCOTYを獲得するなど高評価を得ているこのモデルの魅力をここでは掘り下げる。(Motor Magazine 2023年6月号より)

容量58.0kWhと72.6kWh、2種類のバッテリーを用意

日本で買える輸入、国産ブランドのBEVの選択肢が増え、ライフスタイルやクルマの使用状況によって自分に最適なBEVを選ぶという楽しさも出てきた。今回、ここで取り上げるのは、BEVの購入検討時に有力候補にしたいヒョンデのIONIQ5である。

画像: 12.3インチのディスプレイを2枚並べたインテリア。表示される情報はとても多く、そしてグラフィックも美しい。

12.3インチのディスプレイを2枚並べたインテリア。表示される情報はとても多く、そしてグラフィックも美しい。

ひと目でIONIQ5だとわかるデザイン的な特徴は、パラメトリックピクセルライトだ。これはヒョンデの電動化モデルのアイコンである。さらにボディサイドに入る折り紙のような立体的なラインも個性的かつ魅力的に映る。

ラインナップは、バッテリー容量58.0kWhと72.6kWhがあり、後者には前後にモーターを搭載する4WD仕様も用意する。BEVで気になるのは、満充電でどのぐらい走れるのかだが、IONIQ5は、バッテリー容量72.6kWhでリア1モーターのラウンジなら618kmの走行距離を誇る。

取材したラウンジAWDでも577kmと十分である。1日にこれだけの距離を一気に走ることはほとんどなく、ロングドライブでも2時間または200kmぐらい走ったら休憩や充電をするはず。

IONIQ5は、充電している時間を車内で快適に過ごせるように工夫されているのも特徴である。たとえば、フロントシートには運転席、助手席ともにリラックスできるレッグレストが装備されている。急速充電待ちの30分間などには、カフェもいいが、IONIQ5の中でリフレッシュすることもお勧めしたい。

そんな時に便利なのが、車内での使い勝手に優れるユーティリティの数々や用意されている電源である。たとえば、スマートフォンはもちろん、ラップトップPCやタブレットを充電しながら使えるのだ。そんなV2L機能もIONIQ5の特筆ポイントだ。

V2LにV2Hと電気を持ち運べるメリットがある

V2Lとはのことで貯めた電気を家電などに使用できる機能である。これはBEVのメリットのひとつだと言えるだろう。夜間の電気料金の安い時間に充電し、それを外出先で使うことができるからだ。IONIQ5も室内、室外ともにその機能が充実している。さらに言えば、V2H機能もあり、単純な移動手段だけではない使い方もできるのである。

画像: フロント同様にリアでもパラメトリックピクセルがIONIQ5のデザインテーマとなっている。

フロント同様にリアでもパラメトリックピクセルがIONIQ5のデザインテーマとなっている。

さて実際にハンドルを握ったIONIQ5はなるほど、自動車評論家が高く評価するのもわかる、走りが楽しいクルマだ。なるほど、自動車評論家が高く評価するのもわかる、走りが楽しいクルマ

スタートボタンを押すと、起動音でクルマが目覚める。走り出しからとてもスマートだ。ハンドルコラムのセレクターを奥に捻るとDレンジ、手前が後退だ。動かしたい方向に捻るので自然である。

走行フィールも刺激的である。305ps、605Nmのパフォーマンスに不満などあるはずもなく、たとえば右足を踏み続ければどこまでも加速していくような感覚が味わえる。さらにそれだけの高性能であるにもかかわらず、乗り心地は実に快適である。

回生の強さはパドルで調整できるが、これを積極的に使えば、ダイナミックな走行フィールが味わえる。クルマとの一体感も強く、ワインディング路を走ると実に気持ちいい。運転していて自然と頬が緩んでくるのがわかる。

充実したADASも優秀だ。ブラインドスポットビューモニターやサラウンドビューモニターなどが必要な時に映像を映し出す。これは安全への貢献が高い装備である。さらに車載のカメラを使ったドライブレコーダーも装備する。そして驚くべきことにこれらがなんとすべて標準装備されている。

日本ローカライズに加え、BEVとしてのメリットが大いに享受できるIONIQ5は、日本で購入できるBEVの中ではベストな選択肢のひとつと言えるだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)

ヒョンデ IONIQ5 Lounge AWD主要諸元

●全長×全幅×全高:4635×1890×1645mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2100kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:225kW(305ps)/2800-8600rpm
●モーター最大トルク:605Nm/0-4000rpm
●バッテリー総電力量:72.6kWh
●WLTCモード航続距離:577km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):589万円

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