「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン CCだ。

ダウンサイジングでも動力性能に不満はない

画像: リアコンビネーションランプにはLEDを採用。静粛性も向上して走りっぷりは快適だ。

リアコンビネーションランプにはLEDを採用。静粛性も向上して走りっぷりは快適だ。

すでにお気づきかもしれないが、このモデルの主戦場は北米のマーケットだ。そこでの存在感のアピールを意識したデザイン処理が、こうして端々に見られるというわけなのだ。

そんなこのモデルのバリエーション中で、日本に導入されるのは1.8L TSIモデルに絞られた。ちなみに従来型は2L TSIと3.6Lという2モデルだったが、そこにはインポーターによる最近の日本でのダウンサイジング戦略を強化したいという思いも込められているようだ。

そこで、ちょっと心配になるのが動力性能の低下だ。しかし、風光明媚な海岸沿いからいきなり急勾配の山岳路が始まるニースでのテストドライブでも、加速のポテンシャルに不満を抱くことは皆無だった。それどころか静粛性が大幅に向上しており、そのぶん躊躇なくアクセルを踏み込むことができるので、むしろ走りっぷりは向上したと感じられるほどだった。

ただし、ルックス重視(?)で標準より1サイズアップの18インチを履いた(日本仕様では標準装備になるらしい)試乗車は、とくに低速域で路面凹凸をややダイレクトに拾いがちだった。

スポーティなスタイルのクーペモデルは欲しいけれど、諸般の事情から4ドア車しか選べない、という人は日本でも少なくないはず。そうした人にとっては、ちょっと気になる存在となりそうなフォルクスワーゲン発の1台だ。

画像: 高級感を増したインテリア。インパネのデザインも小変更された。日本仕様は右ハンドルになる予定だ。

高級感を増したインテリア。インパネのデザインも小変更された。日本仕様は右ハンドルになる予定だ。

フォルクスワーゲン CC 1.8TSI(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4815×1855×1425mm
●ホイールベース:2710mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1798cc
●最高出力:118kW(160ps)/4500-6200rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1500ー4500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●JC08モード燃費:13.4km/L
●タイヤサイズ:235/40R18
●当時の車両価格(税込):499万円

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