プロとプロS、2種類のモデルを用意
フォルクスワーゲンは、2020年にドイツブランドとしてはID.3で初の量産BEV市場への進出を果たした。しかし、ID.3はいわばゴルフのBEVVバージョンゆえにその後、トレンドを追うようにティグアンサイズのクロスオーバーSUVのID.4やID.5、さらには中国向けのID.6と矢継ぎ早に新機種を導入した。その結果、ドイツ国内でのBEV新車販売台数を見るとフォルクスワーゲンはおよそ14%のシェアを得てドイツブランドの中では一位の座を確保している。
しかし、世界的に見ると、いまだ24%近いシェアでテスラがトップの座を確保している。フォルクスワーゲンは、中国市場においてもテスラの後塵を拝しており、そろそろアッパークラスのID.シリーズが求められる時期である。もちろんフォルクスワーゲンの準備は周到で、18年にはパサートサイズのコンセプトモデルID.ヴィジョン、そして22年はその進化版となるアエロを公開している。
そして23年の上海モーターショーでその量産モデルID.7が誕生した。ID.7はこれまでどおりBEV専用のプラットフォームMEBを採用しているが、全長4961mm×全幅1862mm×全高1520mmとパサートよりも200mmも長く、かつてのトップモデル、フェートンを思わせる。
23年秋から発売予定のこのID.7にはプロとプロSの2種類のモデルが用意され、搭載されるバッテリーの容量は前者には77kWh、後者には86kWhが搭載され、最大航続距離はそれぞれ615kmと700kmに達する。また400Vのエレクトリックアーキテクチャーを持ち、充電時間は11kWのAC家庭充電で8時間15分、170kW(急速充電)では28分で、航続距離役300kmぶんの充電が可能だ。