先代とは変わり、ハイブリッドとPHEVのエクステリアを同じにして、PHVからPHEVに名称変更されたのが新型プリウスPHEVだ。(Motor Magazine2023年7月号より)

高品質さゆえ、見えてきた改善ポイント

これまでプリウスPHVと呼ばれていたプリウスのプラグインハイブリッドモデルが、新型ではプリウス プラグインハイブリッドと名乗るようになった。そもそも先代では、プリウスとは別モデルのように、まったく違った外観デザインだったが、新型では両モデルとも同じデザインとなり、大きな違いは見られない。

画像: 見やすい位置に配置されたメーターだが、表示される文字の大きさなどは改善の余地が残されている。

見やすい位置に配置されたメーターだが、表示される文字の大きさなどは改善の余地が残されている。

また先代とは変わり、急速充電に対応しなかったことは、見識があると言える。これだけBEVが増え、急速充電インフラが不足している日本では、ガソリンを使って走ることができるPHEVは、普通充電するほうが望ましい。

ただし、PHEVオーナーとしては、「それなら普通充電インフラも充実させて欲しい」と思っていることだろう。国や自治体は、そうした声にもきちんと応えて欲しいものである。

新型プリウス同様、プリウスPHEVは高い走行性能を持つ、高品質なクルマに仕上がっていた。

だからこそ見えてくる不満点もある。たとえばエネルギーフロー表示だ。こうした電動化車に積極的に乗る人は、エネルギーマネジメントに興味があるはずだ。しかしプリウスPHEVに採用されているエネルギーフロー表示はあまりに素っ気なく、まるでワクワクしないし460万円するクルマのそれではない。

最初に見たときの正直な印象は「なんだこれ!」である。もう少し、見ていても飽きのこない表示をぜひとも望みたい。

さらに新型は回生ブレーキの強さを変更することができるのだが、その操作方法がとてもわかりにくい。ハンドルに装備されたスイッチで、メーター内にある小さな表示を見ながら変えるのだが、これは運転中に操作するのはとても危険だ。そもそもなんでこんな操作方法なのかも疑問である。使って欲しくない機能なのかと疑ってしまう。

こうしたところは早急に改善して欲しい。新型プリウスPHEVは、クルマとしての完成度が高いだけにこうしたことが残念でならない。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:伊藤嘉啓)

画像: 給油口と充電口がある以外で新型ではプリウスとプリウスPHEVは外観に大きな違いが見られない。

給油口と充電口がある以外で新型ではプリウスとプリウスPHEVは外観に大きな違いが見られない。

トヨタ プリウスPHEV 2WD主要諸元

●全長×全幅×全高:4600×1780×1430mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:15700kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1986cc
●最高出力:111kW(151ps)/6000rpm
●最大トルク:188Nm/4400-5200rpm
●モーター最高出力:120kW(1630ps)
●モーター最大トルク:208Nm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:26.0km/L
●タイヤサイズ:195/50R19
●車両価格(税込):460万円

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