「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 3シリーズ(6代目:F30型)だ。

2Lの直4ターボでも十分以上にパワフル

画像: こちらは「ラグジュアリー」だが、「スポーツ」とパワートレーンや足まわりに変わりはないので、同様の走りが楽しめる。

こちらは「ラグジュアリー」だが、「スポーツ」とパワートレーンや足まわりに変わりはないので、同様の走りが楽しめる。

動力性能は、数値以上にパワフルに感じさせるほど力強い吹け上がりを示す。また、小排気量の直噴ターボでは過給が十分でない低速域で扱いにくいものも見受けられるが、この328iは大丈夫。8速ATの滑らかな変速制御もそれを後押ししてくれる。100km/h走行時のエンジン回転数も1700rpm程度と低い。ただし、車内に伝わってくる音がいまひとつ。これは4気筒のせいというよりも音質そのものが原因だ。静粛性は高いのだが、音はもう少し洗練されて欲しいところだ。

「ドライビング パフォーマンス コントロール」を操作すると、エンジンレスポンスやシフトタイミング、パワーステアリングのアシスト量などが連動して明快に変化する。ECO PROモードを選んでも、それほどストレスを感じることなく低燃費走行できるところもいい。アイドリングストップ機能の動作もいたってスムーズだ。

ハンドリングは非常に軽快かつ俊敏で楽しい。乗り心地はやや硬めで、とくに後席でそう感じるのだが、このスポーティな走りこそ3シリーズの醍醐味。競合ライバルに対する大きなアドバンテージといえる。

ほどなく320i(排気量は同じ2Lだがパワースペックが低い)をはじめ、ハイブリッドやディーゼルなども順次導入予定とのこと。どうしても6気筒が欲しい人にはハイブリッドという選択肢がある。新型3シリーズ、今後の展開が楽しみだ。

画像: 2Lの直4ターボは245ps/350Nmと十分以上のパワーを発揮。組み合わされるトランスミッションは8速AT。

2Lの直4ターボは245ps/350Nmと十分以上のパワーを発揮。組み合わされるトランスミッションは8速AT。

BMW 328iスポーツ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4625×1800×1440mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1997cc
●最高出力:180kW(245ps)/5000rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1250-4800rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●JC08モード燃費:15.2km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●当時の車両価格(税込):586万円

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