「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ ボクスター(3代目)だ。

ニュル8分切りの実力は、タダモノではなかった!

画像: 電動ソフトトップはスイッチ操作ひとつで約9秒で開閉可能。50km/hまでなら走行中でも開閉できる。

電動ソフトトップはスイッチ操作ひとつで約9秒で開閉可能。50km/hまでなら走行中でも開閉できる。

なるほど、確かに力強さでは「S」が上を行くが、2.7Lモデルもけっして遅いわけではない。何となれば、こちらでも0→100km/h加速タイムは軽く6秒を下回る。すなわち、どちらも一級のスポーツカーにふさわしい速さの持ち主ということだ。

そんな動力性能ももちろん魅力だが、それよりもオープンカーとしては圧倒的に高いボディの剛性感と、それがもたらす自由自在なハンドリング感覚に舌を巻いた。とくに剛性感は先日乗ったばかりの新型911カブリオレの上を行く、と思って訊ねると、実際に数値上もボクスターの方がボディ剛性は高いという。

電子制御式の可変減衰力ダンパー「PASM」やダイナミック・エンジンマウント、標準よりも1インチ増しの20インチ タイヤ&ホイールなどのオプションを装備したボクスターSのPDK仕様では、ニュルブルクリンクの旧コースを7分58秒という、従来型比マイナス12秒のタイムで駆け抜ける実力を持つというのも見所だ。

しかし、今度のボクスターのさらに凄いところは、そうした際立つ速さを支える秀逸なフットワークが、望外なまでのしなやかさを実感できる快適性と両立させている点にある。また、今回はロック部分まで含めて、ルーフの開閉が完全自動化をされた点も見逃せない。その開閉に要する時間はわずかに9秒。しかも前後に大容量のトランクスペースを備え、2シーターとして随一の積載性も備えるのだから、まさに際立つ実用性まで満足させてくれた。

画像: インパネまわりのデザインは、新型の911(タイプ991)とよく似ている。ソフトトップの開閉スイッチはシフト手前にある。

インパネまわりのデザインは、新型の911(タイプ991)とよく似ている。ソフトトップの開閉スイッチはシフト手前にある。

ポルシェ ボクスターS(欧州仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4374×1801×1281mm
●ホイールベース:2475mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:水平対向6 DOHC
●総排気量:3436cc
●最高出力:232kW(315ps)/6700rpm
●最大トルク:360Nm(36.7kgm)/4500-5800rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:前235/40ZR19、後265/40ZR19
●当時の車両価格(税込):774万円

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