「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SL(6代目)だ。

メルセデス・ベンツ SL(2012年:6代目フルモデルチェンジ)

画像: メルセデスらしい押し出し感が強いフロントマスクが印象的。ポジショニングライトとウインカーにはLEDが採用されている。

メルセデスらしい押し出し感が強いフロントマスクが印象的。ポジショニングライトとウインカーにはLEDが採用されている。

メルセデスの本格的な2シーター スポーツ「SL」は、単に「SLK」の兄貴分というわけではない。SLにはメルセデスの重要なDNAが刻まれている。そのDNAで重要なメッセージは「軽く、美しく、速い」なのだ。

1900年ごろ、南フランスのレースに出場したダイムラー車を駆るドライバーの愛娘の名前を由来とする「メルセデス」は、そこのころから「軽くて、速くて、美しいクルマ」を目指してきた。その願いがかなったのは、1952年に誕生した300SL。その美しさと速さは今でも語り継がれている。そもそも「SL」とはドイツ語で「シュポルト ライヒト=スポーツ&軽量」の略語に由来している。

今回登場した新型SLは、当時のパイプフレーム構造から見ると、劇的な進化を遂げたアルミ複合材が使われている。軽量と安全性が次世代ボディ技術の核で、約140kgの軽量化に成功している。車両重量に占める90%がアルミ材で、しかもそのアルミを押し出し材やキャスティングなど適材適所に使っている。

エンジンは、4.7LのV8ツインターボと3.5LのV6自然吸気、そしてAMG用に5.5LのV8ツインターボが搭載される。今回の国際試乗会ではV8のSL500(日本使用の名称はSL550)だけが用意されていたが、日本ではいずれも販売される。4.7LのV8ツインターボは最高出力435psと最大トルク700Nmを発生。従来型より馬力で12%、トルクで32%も向上している。

このエンジンには7Gトロニクス プラスの7速トルコンATが組み合わされる。ロックアップを早めたダイレクト感のあるATに進化している。V8/V6の両エンジンともアイドリングストップは標準採用。700Nmを誇るV8の加速力はスーパーカー並みで、0→100km/h加速は4.6秒。V6のSL350でも速さは十分だろうと想像できた。

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