2022年1月号でご好評いただいた「モーストファンカー2021」から約1年半が経過。「モーストファンカー2023」はその間に登場したニューモデルから本誌でおなじみの執筆陣と本誌編集長が「運転して楽しいクルマ」を選ぶという企画だ。はたしてもっとも乗って楽しいと乗る者に感じさせたクルマはどれだろうか。（Motor Magazine2023年9月号より）
犠牲にしたものが一切ない究極のドライバーズカー：島下泰久
島下：時代の流れに乗ったSUV・・・と書くと怒られそうだが、少なくともそんな時代背景のもとに生まれた存在であるプロサングエは、しかしまったく妥協のないフェラーリだ。
新機軸のサスペンションがもたらす圧倒的なロードホールディングと独自の4WD「4RMシステム」のウエットパッチの残るイタリアの山岳路でV12エンジンを思い切り歌わせ、何ならテールスライドまで楽しめたのだから。
ドライバーズカーとして犠牲にしたところは何もない。なのに大人4人が乗れて、荷物まで載るのだから極端な話、クルマはコレ1台あればいい。
ドアは観音開きとなっている。これには見た目以上に広い後席へのアクセスを容易にする効果もある。
フェラーリ プロサングエ主要諸元
●全長×全幅×全高：4973×2028×1589mm
●ホイールベース：3018mm
●車両重量：2033kg（乾燥重量）
●エンジン：V12DOHC
●総排気量：6496cc
●最高出力：533kW（725ps）／7750rpm
●最大トルク：716Nm／6250rpm
●トランスミッション：8速DCT
●駆動方式：4WD
●WLTPモード燃費：5.8km／L（換算値）
●タイヤサイズ：前255／35R22、後315／30R23
●車両価格（税込）：4760万円
